「ホモシステイン」。心筋梗塞、脳卒中、アルツハイマーの隠れ原因

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近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
 
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
 
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになったというわけです。
では、このホモシステインとは何なのでしょうか。
 
ホモシステインとは、タンパク質を生産するのに必要な必須アミノ酸の一種です。
私たちの体にとってたいせつなタンパク質は、肝臓でさまざまなアミノ酸を材料にして作られます。
しかし、このタンパク質を作るアミノ酸のひとつであるメチオニンを作る最中、硫黄をもったアミノ酸であるホモシステインができます。
このホモシステインが作られる最中に、ビタミンB6が不足するとホモシステインから、システインへの代謝が低下してホモシステインが余った状態になってしまいます。
そのため、血液中のホモシステインの数値が上昇するというわけです。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
 
米国のマサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタルのピーター・ケリー博士らの研究チームによれば、11000人の患者数を調べた結果、ホモシステインの血液中の濃度が高い人は、脳卒中になる危険度が75%高まると報告しています。
また、実際に脳卒中を発病した人は、ホモシステインの血液中の濃度が普通の人よりも平均して18%高かったといいます。
 
さらに、欧米の大規模な臨床研究により、血液中のホモシステイン濃度が高いと動脈硬化のみならず、心筋梗塞脳梗塞アルツハイマー病などの原因となることがわかっています。
 
体にとって危険なホモシステイン濃度を低下させるには、その産生を抑えるビタミンB6のほか、葉酸やビタミンB12をとることが必要。
そのためアメリカではこれらのサプリメントが大ブームとなっています。
日本でも近いうち、ホモシステインの数値が血液検査の項目に加わるのが当たり前となる日が近いかもしれません。
「血圧と血液サラサラの常識が変わった! より」
 
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近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
 
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
しかし、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
また、現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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