脳の萎縮対策には“使い込み”が一番

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脳の萎縮対策には“使い込み”が一番
 
損傷のような事態まではいかなにしても、「働きかけ」は脳の若さを保つための重要なポイントです。
 
加齢によって脳が萎縮し始めても、もともと神経細胞が強化されていれば、つまりネットワークを多く持っていれば、脳の状態は維持されます。
あるいは脳にアミロイドβタンパクなどが多少溜まったとしても、認知症のリスクは小さくなるわけです。
 
ではどうやって神経細胞を強化するかと言えば、できるだけ“使い込む”のが一番です。
仕事であれ趣味であれ人間関係であれ、常に脳を使っていれば、神経細胞は維持されやすくなるのです。
 
逆にあまり使っていなければ、もともとネットワークが脆弱なので、少し破壊されただけでも大きな影響が及びかねません。
 
脳は筋肉とは違いますが、例えば全身の筋肉を想像すればわかりやすいと思います。
いわゆる筋トレをすると、筋細胞が増えて筋肉が厚くなり、筋力も上がります。
一方、脳の海馬以外の神経細胞は、トレーニングをしても増えることはありませんが、可塑性によってよく情報の行き来する神経細胞同士は強く結びつき、太く頑丈になります。
 
筋細胞も神経細胞も、より多く使うことでその部分が強化されるという点では共通していると考えられています。
 
日常において、私たちは脳をどうやって使い込めばいいのか、逆にどんな刺激から脳を守ればいいのでしょうか。
 
可塑性とは
神経系は外界の刺激などによって常に機能的、構造的な変化を起こしており、この性質を一般に“可塑性"と呼んでいる。
神経の可塑性は大きく3つに分けられる。1つ目は脳が発生していく時や発達していく段階にみられる可塑性。
2つ目は老化や障害を受けた時などに神経の機能単位が消失するが、それが補填・回復されていく場合。
3つ目は記憶や学習などの高次の神経機能が営まれるための基盤となっているシナプスの可塑性(synaptic plasticity)である。
特に神経科学にとっては3つ目が重要で、その機構についても徐々に明らかにされている。
記憶には、短期記憶と長期記憶があるが、短期記憶は主にシナプスでの伝達効率の変化により、長期記憶はシナプス結合の数や形態の変化により達せられると考えられる。(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)
「本当は脳に悪い習慣、やっぱり脳にいい習慣 より」
 
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老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパク(アミロイドβタンパク)と核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若返りにもつながることにもなります。
 
そして、ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
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