認知症を予防する

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認知症を予防する
 
認知症の代表的なものが、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体病です。
なかでももっとも多いのがアルツハイマー病で、全体の約50%を占めています。
 
 
脳に「老人斑」というアミロイドβたんぱくが蓄積したシミができることで、神経細胞が壊され、脳が萎縮してしまう病気です。
個人差はありますが、記憶障害、判断力の低下、失語・失認、見当識障害などが起こり、徐々に進行します。
また、最近の研究では、腸内フローラの50~70%を占めるといわれるリボ多糖類(LPS)とアルツハイマー病の関係が注目されています。
LPSは、だれもが腸内に持っている細菌の重要な構成要素で、通常LPSは、腸内幕の細胞間に存在する密着結合によって、血液からブロックされています。
しかし、腸の細胞が機能不全に陥り、LPSの量が増え血液中に循環すると、炎症をあおり、おびただしい数の細菌が、腸壁バリアを貫通してしまうことが、研究でわかっています。
血液中の高LPSは、アルツハイマー病の患者に多く見られ、脳内のアミロイドβたんぱくの増加との関連性が研究されています。
 
・脳血管性認知症
 
動脈硬化や高血圧により、脳卒中を起こした後遺症として起こります。
障害を受けた脳の部位や範囲によって症状は異なりますが、発作を起こすたびに段階的に症状が進行します。
 
・レビー小体病
 
脳幹部の神経細胞に異常なたんぱく質が出現し、認知症状を起こす病気です。
比較的早い段階から、具体的な幻想があらわれるのが特徴です。
 
認知症の引き金は高脂肪食と運動不足
 
アルツハイマー病の場合、大きな原因となるのが、高脂肪食です。
マウスの実験によれば、高脂肪のエサを食べ続けたほうは、ふつうのエサを食べたほうと比べて、老人斑が約2倍に増えたそうです。
また、アルツハイマー病を発症しているマウスに40%のカロリー制限を行ったところ、老人斑が約3分の1に減少したといいます。
 
別の研究では、食後に血糖値の下がりにくい糖尿病の人は、血糖値が正常な人と比べて老人斑ができやすいという結果も出ています。
長年偏った食事を続け、それを消費するための運動をしない人が、アルツハイマー病の芽を育てているといっていいでしょう。
 
脳血管性認知症の場合、直接の原因は脳卒中ですが、その引き金となるのは動脈硬化や高血圧で、日々の食生活や運動不足が大きく関わっています。
認知症は、悪しき生活習慣の積み重ねによって、脳細胞が老化した結果生み出される病気といえるのです。
 
認知症予防には「腹七分目」+納豆
 
健康な脳細胞を維持するには、まず、高脂肪食を控えることが先決です。
脂っこいものが好きな人や食べる頻度が高い人は、適切なカロリーの低脂肪食に切り替えましょう。
 
さらに、食べすぎにも注意が必要です。
たとえ高脂肪食を減らしても、ごはんやパンなど炭水化物を摂り過ぎているようでは、摂取カロリー自体は変わりません。
長寿遺伝子の活性化と同様、「腹七分目」を心がけてください。
一口30回は噛むクセをつけると食べ過ぎ防止にもなります。
 
抗酸化力の強い食材を取り入れるのもおすすめ。
アスタキサンチンを含む鮭、エビ、カニなどを積極的にメニューに取り入れてください。
同様に、脳の炎症抑制作用のあるエクストラバージンオリーブオイルや、脳を活性化させるDHAEPAを含んだ青魚なども効果的です。
 
ザクロには、アントシアニンを主成分とするフラボノイドやタンニンなどのポリフェノールが高濃度で含まれており、脳の酸化を防いで、アルツハイマー病の原因となる老人斑を減少させる作用があります。
同様に野菜や果物を手軽に吸収できる生ジュースを週3回以上飲むといいでしょう。
さらに、発酵食品では、赤ワイン、納豆、ヨーグルト、かつお節などがおすすめです。
 
認知症予防におすすめの食材と発酵食品》
 
エクストラバージンオリーブオイル
強い抗炎症作用で脳細胞の炎症を予防する
鮭、エビ、カニ
強力な抗酸化力で、活性酸素を除去し、悪玉コレステロールを低減させる
青魚
脳の血流を促して、脳を活性化させる
ザクロ
ザクロポリフェノールが脳の老人斑を減少させる
カレー粉
クルクミンというポリフェノールが、脳の老人斑のもとであるアミロイドβタンパクを分解する
赤ワイン
抗酸化力の高いレスベラトロールが豊富
納豆
血栓を予防し、血流を促す
ヨーグルト
血中のコレステロールの低減
血栓を予防し、血流を促す
 
アミロイドβたんぱく
40~42のアミノ酸からなるたんぱく質で、脳内に凝集・蓄積されると老人斑を形成する。
これが神経細胞を壊すことが、アルツハイマー病の原因とされる。
 
※リボ多糖類(LPS)
脂質と糖分から構成される物質で、ある種の細菌の外膜の主成分。
腸内細菌を健全に構成させることに加えて、胆嚢から分泌される胆汁酸塩から細菌を守るはたらきをする。
胆嚢のバリア機能が弱まり、いったん血流に入ると、炎症の燃料となってしまう。
 
鮭、エビ、カニに含まれるアスタキサンチンという赤い色素成分には、細胞の老化の原因となる活性酸素を除去し、血液中の悪玉コレステロールを減らす効果がある。
「腸を元気にしたいなら発酵食を食べなさい より」
 
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老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果にもつながると考えられます
 
ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
現在60歳以上の2割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
ビタミンB12は胃の内因子という糖たんばくと結合し吸収されますが、年齢とともに胃が小さくなったり胃の状態が悪くなったりして、内因子が
少なくなりビタミンB12の吸収が悪くなってしまうのです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
萎縮性胃炎など胃の病気などで内因子が作れない場合も吸収が困難になります。
しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。
吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と考えられています。
 
さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
 
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