ここまでわかった!「遺伝子編集酵素」――がんのメカニズム

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ここまでわかった!「遺伝子編集酵素――がんのメカニズム
 
くすぶっている現場では、活性酸素がたくさん生まれます。
活性酸素という言葉は、これまでにも何度か登場しました。
酸化力の高い酸素のことです。
活性酸素は、免疫細胞たちが体内に侵入してきた異物を攻撃するときの“武器”になるなど、一定量は必要なのですが、増えすぎると、健康な細胞まで傷つけてしまいます。
細胞内のDNAが傷つく原因のひとつも、増え過ぎた「活性酸素です。
慢性炎症の現場では、くすぶりの原因になる刺激が「活性酸素」を生むほか、有害な刺激を攻撃するために免疫細胞が活性酸素を武器に使います。そのた、多くの「活性酸素」が発生するのです。
 
さらに、最近わかってきたことがあります。
慢性炎症があると、正常な細胞に「遺伝子編集酵素」というものが生まれ、遺伝子変異が重なり、がんが生まれやすくなるのです。
この「遺伝子編集酵素」は、健康な人の場合、免疫細胞のひとつである「B細胞」にのみ現れます。
ところが、くすぶっている現場では、この酵素がつくられてしまうのです。
マウスの実験では、さらに衝撃的なことも報告されています。
「遺伝子編集酵素」を全身の細胞に現われるようにすると、全例で悪性リンパ腫が発生し、肝臓がん、胃がんなども発生したというのです。
 
■がんの発生、進行、転移の裏に慢性炎症あり
 
ちょっと難しい話になりましたが、DNAのコピーミスが起こる段階でも、がん細胞が増殖してかたまりをつくる段階でも、がんが転移する段階でも、「慢性炎症」がかかわっていることがわかってきています。
つまり、「がんの発生」にも、「がんの進行」にも、慢性炎症はかかわっているということです。
ということは、がんになる前も、がんになってからも、くすぶりを抑えることが大切なのです。
 
じつは、解熱鎮痛剤として使われる「アスピリン」を服用している人は、がんの発症リスクが低いという報告も複数出ています。
アスピリンは炎症を鎮めることで、痛みを抑え、熱を下げるという薬です。
国内でも、国立がんセンターなどによる共同研究で、大腸がんに進行する可能性の高い大腸ポリープを摘出した患者さんに2年間、低用量アスピリンを飲んでもらったところ、大腸ポリープの再発リスクが40%ほど下がったことが報告されています。
こう説明すると、「抗炎症作用のある薬を飲み続ければいいの?」と思うかもしれませんが、そうではありません。
薬には必ず副作用があります。
アスピリンも、気管支ぜんそくの増悪や胃腸障害、出血などの副作用が報告されています。
薬に頼るのではなく、生活のなかでいかにくすぶりを抑えるかが大切です。
「体内の「炎症」を抑えると、病気にならない! より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
ビタミンB12は水溶性と脂溶性という特徴を併せ持つため体の隅々にまでいきわたりさまざまな働きをします。
細胞の生成にとって重要な核酸(DNA)・たんぱく質の合成や末梢神経(手足)、 中枢神経(頭)、認知機能に関わりがあるため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
細胞が入れ替わることにより若さにもつながると考えられます。
 
ビタミンB12について?
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