血管年齢が若くても、血管力が正常なわけではない!?

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血管年齢が若くても、血管力が正常なわけではない!?
 
「血管年齢」という言葉をここで改めて説明しておきましょう。
心臓から動脈へ血液が送リ出されると「脈」が生じます。
脈打つ血管にセンサーを当て、その変化を波形として描いた「脈波」は、血管の状態に応じて変化します。
それらを記録して「血管が何歳相当にしなやかさを失い硬くなったか」を表したのが「血管年齢」です。
 
一般的に普及しつつある「血管年齢検査」ですが、その結果に表れにくい動脈硬化があるのです。
 
初期の動脈硬化は、とても軟らかいコブのようなもの(プラーク)が血管の内側の壁の表面にできます。
時間が経過しプラークが大きくなったり、新たなプラークができると、次第に血管の壁全体が厚く硬くなります。
 
この軟らかいプラークはあっても血管の壁全体がそれほど硬くない段階の動脈硬化は、「血管年齢検査」では過小評価されてしまうのです。
 
「血管年齢」=」血管力」でない理由はここにあります。
血管力は「血管全体がしなやかさを保ち、その内壁はなめらかで、血液をスムーズに循環させることのできる力」ですが、血管年齢検査は「血管全体がしなやかさを保っているか否か」のみを評価しているのです。
 
★「血管の内側」が重要です!
 
「血管力」とは
 
1.血管のしなやかさ ←「血管年齢」はココのみ評価
2.血管の内壁のなめらかさ
3.血液がスムーズに流れているか
 
まだ軟らかいプラークも、この方法ならみつけられる!
 
では、「その内壁がなめらかで、血液をスムーズに循環させることができるか」を評価する手段はないものでしょうか。
そこで有用なのが、「頸動脈エコー検査」です。
 
●「頸動脈エコー検査」……首の動脈(頸動脈)に超音波を当てて、動脈の状態(血管の内腔にプラークなどが生じて狭くなっていないかなど)を調べる
 
この検査で、心臓から脳に血液を送る頸部の動脈壁を超音波で観察すると、プラークの状態や内腔の狭さを確認できます。
血管年齢の異常として検出されないまだ軟らかいプラークもこの方法ならみつけることができます
 
健診で「脂質異常」を指摘され、クリニックを受診された50代男性の患者さんは、喫煙者だったことから動脈硬化の進行が危惧されました。
ところが「血管年齢検査」の結果は年齢相応の50代でした。
 
そこで「頸動脈エコー検査」をしたところ頸動脈の壁の内側にはプラークが数カ所検出されたのです。
しかし、血管壁はそれほど硬くなっておらず、「血管年齢検査」では実年齢相当という結果だったというわけです。
このような例は決して少なくありません。
「「血管を鍛える」と超健康になる! より」
 
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
 
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
 
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
 
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12について?
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