運動も面白くなければ効果はない

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運動も面白くなければ効果はない
 
運動は賢脳作りになくてはならないものです。
でも、いやいや運動では効果が上がりません。
 
ある実験をお目にかけましょう。
 
実験ラットで、脳神経細胞増加の状態を調べたものです。
 
実験ラットは水を嫌います。
わかりやすく言えば、水泳が苦手なのです。
この苦手を利用して調べました。
 
嫌がる実験ラットを、水槽に入れて無理やり泳がせます。
ラットは泳ぐところか、とんだ水難で、もがき苦しみます。
 
この時の実験ラットの脳神経細胞は、水泳という運動をしたにも関わらず、ほとんど増えません。
 
賢脳の決め手とまで言われた運動が、ほぼ無効だったのです。
 
理由は、もがき苦しむイヤイヤ運動にあります。
実験ラットにとって、水泳は嫌な運動で、大きなストレスです。
大きなストレスと戦うのが精一杯で、脳神経細胞増加まで手が回らないのです。
 
この実験からも、「面白い」「まあ面白い」の効果がはっきりします。
 
「オレだって、水風呂にたたき込まれれば、機嫌も悪くなるだろう」と言われる人は、次の実験を見てください。
 
実験ラットを飼育する場合、一匹ではなく、複数にすると、記憶の海馬の脳神経細胞の増加率が増えたとの報告が、アメリカのプリンストン大学からなされています。
 
複数飼育はすなわち群れであり、群れの中は安全で、心地よく、「面白い」「まあ面白い」の生活です。
その効果が現れて、記憶の海馬の脳神経細胞が増えたのです。
「人の名前が出てこなくなったときに読む本 より」
 
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
しかし、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
 
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
 
レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
ビタミンB12について?
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