心の老化を進める「自動思考」の悪循環パターン

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心の老化を進める「自動思考」の悪循環パターン

 

ペンシルベニア大学精神科のアーロン・ベック教授は認知療法に、さらに工夫を加えていきました。

実際に、とても悲観的になっている人を「説得すること」だけで楽観的に変える、そして、うつ病をよくするということは、容易ではありません。

 

そこで、「自動思考」という方法にスポットが当てられています。

 

「自動思考」とは、人が生活し、活動する中で遭遇するいろいろな場面で自動的に生まれる「思考パターン」のことです。

うつ病の人は、この「思考パターン」によって、うつ病の状態をより悪化させているのです。

 

たとえば、うつ病になって自分の能力が落ちている人が部長に呼ばれたりすると、「クビに違いない」と自動的に考えてしまいます。

それによってよけいに落ち込んだり、部長にケンカを売ったりと、いろいろ悪い行動が生じることがあります。

 

このような自動思考が生じると、たとえば「クビになる」が100%正しいと思ってしまうのですが、そうとは限らないことをわからせていくのです。

 

たとえば、人のことを敵か味方か、正義か悪の二つにだけ分けて考える「二分割思考」をする人は、味方と思っていた人が自分を批判すると、「敵になった」という自動思考が生じて落ち込んでしまいます。

実際には味方のまま批判をしたかもしれないのに、敵でも味方でもないグレーゾーンが想定できないわけです。

このようなマイナスに偏った自動思考を起こしやすくする思考パターンを「不適応思考」といいます。

 

ベックの弟子であるフリーマンはいくつもの不適応思考のパターンを挙げ、これを脱却することでうつ病を治療したり、予防できると考えました。

こうして不適応思考を指摘し自覚させることで、うつ病の患者と問答をしながら、「起こったこと=状況」「感じたこと=感情」「自動思考の内容=どんな否定的な感情に至ったか」といったことを書き記すなどして、自動思考以外の思考ができるように仕向けていきます。

 

うつ病の人が、自動思考しかできない状況から脱却させていくのです。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

ビタミンB12について?

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言葉で認知を変えていく「認知療法」

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言葉で認知を変えていく「認知療法

 

うつ病は「悪循環を生みやすい病気」という特徴があります。

「心配が心配事を増やす」ように、悪循環となる考えが「自己増殖」していくタイプの病気といえます。

 

かつては、

うつ病のときには、悲観的な認知となり、うつ病が原因で悲観的な認知が起こっているのだから、その悲観的をいくら変えても、原因であるうつ病が治療されなければ効果はない」

と考えられていました。

 

うつ病治療においては、「言葉による説得は効果がない」ということが治療の常識とされていたのです。

 

その精神科治療の従来の常識に対して、1963年に米ペンシルベニア大学精神科のアーロン・ベック教授は、新たに「認知療法」を開発しました。

 

うつ病は「感情の病気」なので、「感情に対して論理的な説得をしても無意味だ」というのがうつ病の専門家の見解でしたが、ベック教授は、患者に対して「説得」を試みることで、うつ病改善に大きな効果が得られることを示したのです。

 

たとえば、実際には裕福なのに、「このままでは私は生活できなくなって、野たれ死にしてしまう」という悲観的な認知をしている患者さんがいたら、「認知療法」では次のようなやり取りをします。

 

治療者 「あなたにはいくらくらいの貯金がありますか」

患者 「1億円くらいあります。でもこんな貯金は、数年でなくなりますよ」

治療者 「今、毎日、どのくらい使っていますか」

患者 「1日、1000円程度で暮らしています。節約しないと、どんどんお金が減りますから」

治療者 1日1000円使うとすると、1億円あれば。10万日暮らせますよ。10万日というと、約270年分ですね」

 

このようなやり取りで、患者さんに、

「そうか、270年分もお金があれば、心配しなくても私は生きていけるのではないか」

 という気づきが生まれれば、患者さんの悲観的な「抑うつ気分」が少しは和らぎます。

 

 ベックの当時の治療法は、悲観的な認知に「根拠がない」ということを示して説得する方法です。

悲観的な認知が減ることで、悲観的な感情も収まっていくわけです。

 

 ベックは、説得によって悲観的認知という「症状」に働きかけ、「原因」となっているうつ病を改善できるということを発見したのです。

 

 今思うと当たり前のような話ですが、「認知を変えても、うつ病は治らない」とされていた当時としては画期的な発見でした。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。

十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。

また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。

ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。

高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

 

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思考をプラスに転じさせるコツ

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思考をプラスに転じさせるコツ

 

うつ病の人の認知を変えること」の重要なポイントは、思考法に「プラス思考」を織り込めるようにすることでしょう。

 

エジソンの有名な言葉があります。

 

「人生で失敗したことは一度もない。1万通りの『うまくいかないやり方』を発見しただけだ」

 

そういう考え方をすれば、「マイナスの自動思考」には陥りにくくなります。

とにかく「やってみよう」という姿勢や考え方に何とか持っていくのです。

 

認知症でもうつ病でも、興味が減退し、積極性がなくなるという症状が出ますが、「でも、やってみよう」という方向です。

 

飲食店でも、「知らない店は、おいしくなかったら嫌だから行かない」という発想、思考ではなく、「まずい店でもいいじゃないか。まずい店を新たに発見した、と思えばいい」「まずかったら、途中でやめて、ほかの店で食べればいい」と考え方をフレキシブルにする。

それができれば、積極性も生まれるでしょう。

 

いい年をして、「若い人が行くような店には行かないほうがいい」と考えがちですが、どんどん「若い人の店」「若い人が行くようなところ」に行ってみるといいと思います。

 

行ってみるまでは、「きっと嫌な思いをする」とためらうのですが、試しに行ってみると、意外に面白いことに気づいたりするものです。

 

日曜日の繁華街をぶらついてもいいし、夏なら海水浴場やプールに行くのもいいでしょう。

すごく気分転換になりますよ。

 

水着も持って行って、生まれ変わったような気分になれば、抑うつ気分が吹き飛ぶかもしれません。

 

もし、それで「嫌な思い」をしたら、家に帰って笑い話にでもして、家族に対して聞かせるといいのです。

「人生でめったにない貴重な経験をした」ととらえれば、プラス思考に近づいていけます。

このようにいろいろ試すことは前頭葉の老化予防、つまり感情の老化予防にもつながるのです。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。

十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。

また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。

ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。

高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

 

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「心の病気」から「脳の病気」になったうつ病

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「心の病気」から「脳の病気」になったうつ病

 

うつ病は、「心の病気」と考えられてきました。

 

患者に何らかの精神的な異常があるとき、その人の心に問題があるため異常が起こっていて、病気となって発症していると思われていたのです。

 

1950年代くらいまでは、アメリカでは精神医学の主流の学派は「精神分析」でした。

その頃は、もっとも科学的な精神医学は「精神分析」だとされていました。

 

その人の無意識の世界を探索して、体や行動、心理に起こっている異常について、本人の気づかない無意識の世界に原因があるのではないかと探っていたのです。

 

しかし、現在は、うつ病は「脳の病気」だという考え方が主流です。

 

「心」に病があることは変わらないのですが、その心の病の原因が具体的にどこにあるのかというと、「脳の機能」に問題があるのだ、と考えられるようになったのです。

 

1950年代後半に抗結核薬である「イソニアジド」や抗ヒスタミン薬である「イミプラミン」という薬でうつ病が改善することがわかって以来、うつ病は「脳の病気」と認識されるようになりました。

 

その開発初期にはメカニズムがわかっていませんでしたが、「薬で治るのだから、生物学的な要因で精神疾患が起こっているのだろう」と医師たちが考え始め、精神科の臨床現場での研究対象は、それまでの哲学的な精神分析から生物学的な精神医学にシフトしたのです。

 

1960年以降には「脳科学ブーム」のようなものが起こり、うつ病などの精神疾患を「脳の働き」の観点から追究する研究者が増えてきました。

 

現在では、治療にあたって心理面にウエイトを置いている精神科医でも、「脳の機能」には着目せざるを得ないという状況です。

少なくともほとんどの精神科医は薬物治療を行います。

 

うつ病の治療は、心のトラブルを治すために、薬を使って脳の機能を正常化しようとする、という治療になったのです。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

ビタミンB12について?

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老人性うつに気づく3つのポイント

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老人性うつに気づく3つのポイント

 

認知症の兆候と間違えられることがよくあるのが、高齢者のうつ病です。

 

うつ病認知症のいちばん大きな違いは、「うつ病は早期に治療すればよくなる」けれども、「認知症は進行を遅らせることはできても、治すことはできない」ということです。

そして、認知症うつ病が同時に進行する場合もあるので、注意が必要です。

 

認知症はじわじわと進行するので、あわてて対応しなければ、と思う必要はありません。

 

それに対して、うつ病は、家族でも本人でも、症状に気がついたら、できるだけ早期に治療をしたほうがいいという点で、まったく異なっています。

 

それにもかかわらず、高齢者のうつによる変化は、家族がそれに気づいても「年のせいでせしょう」と思ってしまいがちで、本人も「年だからじゃないか」とボケの初期症状と誤ってしまうことがあるのです。

 

高齢者のうつ病の特徴は、次の3点です。

 

1.ある時期に急に変化する

 

高齢になると、外出するのが億劫になったり、それまでは毎日化粧をしたり、身繕いに気をつけたりする人だったのに、化粧も身繕いもしなくなる、という兆候があります。

その変化は、認知症でも進行するにつれて起こることがあります。

 

以前は、いろいろな趣味があってよく出掛けていたのに、いつの頃からか出不精になった、という長い間の変化は、家族もあまり気づきません。

認知症の場合、じわじわと変化が起こるからです。

 

しかし、うつ病の場合は、その変化がある時期に急に起こります。

場合によってはある日、突然起こるのです。

認知症の場合は「いつからですか」と聞いても、「さあ、いつごろからでしたか、よくわかりませんが、今はそうなりましたね」というケースが多いのですが、うつ病だと急激に起こります。

 

そして、もう一つ、認知症と異なる点は、外見上もかなり変化することです。

表情、顔つきがガラリと変わる人が多いのです。

高齢者がうつ病になると、急に「10歳くらい老けた」感じになることがあります。

認知症の場合は、表情も症状も本当に長い時間をかけて変化するので、家族は変化にあまり気づかないことがよくありますが、うつ病は短期間に大きく変化するので気づきやすいのです。

 

2.本人に「もの忘れ」の自覚がある

 

病院の「もの忘れ外来」には、「最近、父がもの忘れが多いのですが、認知症でしょうか」と訪れる人がいます。

 

その場合、認知症の当人は「あまり気づいていない」という状況で、家族と一緒に来院することがほとんどです。

自分では「最近、もの忘れが増えた」ということにさえ気づかないのが、中期以降の認知症の特徴です。

 

それに対して、うつ病の場合は、本人が「自分に変化が起きている」ことを気にして、自ら来院するというケースが目立ちます。

うつ病だと自分自身に起こっていることが心配になって訪れるのです。

 

3.食欲や睡眠に変化が出る

 

うつ病の人は、抑うつ気分とともに、食欲が急に減少したり、逆に異様に食欲が増したりしますが、そのことにも自分で気づくことが多いのが特徴です。

 

一般的には、うつ病だと食欲がなくなることが多く、逆に認知症の人は、症状が進むと食欲が増進することが多いという傾向があります。

 

うつ病は、基本的には「食欲減退」が一つの特徴といっていいでしょう。

 

もう一つは、うつ病の兆候として「不眠」があります。

 

自分では眠りたいのに、夜中に何度も目が覚めてしまうという場合、うつ病を疑ってみる必要があります。

これは高齢者だと当たり前に思われがちですが、急に起こった場合はうつ病の可能性が強いのです。

 

認知症の場合は、まったく反対に「よく眠れる」という人が多い傾向があります。

ロングスリーパー」といいますが、家族が心配するくらいよく眠るようになるのです。

 

高齢でうつ病になると、「早くお迎えがくるといいのに」といったことをいう人が時々います。

とくに肉親、配偶者などを亡くすと、「早くあの人のもとに行きたい」といったりします。

 

だれでも「家族の死」に直面すると、気持ちが落ち込むのは当たり前です。

そのため、「落ち込むが、生活は何とか保てている」という場合は、それだけでは「うつ病ではない」と診断されます。

 

しかし、それに加えて仕事も家事もできなくなった、生活がほとんど保てなくなった、という状態が続いたときは「うつ病が強く疑われる」のです。

 

ただ、「自殺したくなった」など、自殺企図の症状が続くようだと、深刻な事態になりますから、早めに精神科に相談したほうがいいことは間違いありません。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

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「声を出す」「人と会話をする」ことの効能

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「声を出す」「人と会話をする」ことの効能

 

現在、アルツハイマー病の新薬として開発されている薬品のほとんどは、アミロイドβの蓄積を防ごうとするものです。

動物実験の段階ではうまくいくのですが、人間ではなかなか効果が見られず、市販されるには至っていません。

それどころか莫大な研究費をかけた大手の製薬会社のいくつかが開発を断念しています。

 

アミロイドが蓄積するのを止める、という発想は比較的シンプルなのですが、それがうまくいかないという理由には、実は、それが脳の老化の本質との関わりがあるせいではないか、と考えています。

つまり、本質的な老化は止められないのです。

 

アルツハイマー認知症になりやすいかどうかは、遺伝的要因が大きいといわれています。

親がアルツハイマー認知症の有病者だと、子どももなりやすいといことです。

完全な遺伝ではなくても体質が似るのでしょう。

 

ただ、「頭を使っている人、日常生活でいろいろな作業、思考を行う人ほどボケにくい」という傾向はあります。

 

CTなどで脳の状態を見ると、発症しそうなくらいに脳の萎縮が進んでいるのに、日常生活では頭脳明晰という人もいます。

 

同じくらいの脳の萎縮の人を比較してみたら、日常的に脳を使っている人さほどボケていなくて、そうでもない人はかなりボケが進んでいる、知能テストをしても明らかに差が出る、という例もあるのです。

 

頭を使うといっても、とくに高度な使い方というわけではなく、経験上いちばん効果が高いと感じているのは「人との会話」です。

 

人と話すと、自分で考えて話をして、それに対して人から反応が返ってきて、さらにやり取りをするという作業になるので、脳を強制的に働かせることになります。

 

このとき、「声を出す」ということがポジティブ(効果的)なようで、担当しているアルツハイマー病の患者さんの中に、以前から趣味で「詩吟」を続けている人が何人かいるのですが、この人たちは進行があまり目立ちません。

 

詩吟でなくても、おそらくカラオケで大きな声で歌う、みんなで歌うというのも効果が見込めるでしょう。

仲間がいればワイワイ楽しめてよりよいのですが、一人カラオケでもかまわないと思います。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

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うつ病の3大予防法 3.外出して光に当たる

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うつ病の3大予防法 3.外出して光に当たる

 

太陽の光を浴びることは、健康の基本です。

 

冬季うつ病という季節性のうつ病がありますが、秋から冬にかけて日照時間が短くなることが、その発症の原因の一つと考えられています。

 

また、欧米で冬季うつ病が多い理由の一つに、一般に住居の室内があまり明るくないことがあるのではないかとも考えています。

 

日本では南向きの部屋に太陽光がさんさんと入ることが好まれるのですが、欧米では、南向きで日の光が入る部屋は敬遠される傾向があるからです。

 

光があまり差し込まないところに長時間いると、セロトニンの分泌が不十分になるので、状況によっては気分が次第に落ち込んでしまうものです。

 

冬季うつ病は、光療法で強い光を浴びることで治療する方法があります。

睡眠障害の場合にも、光療法は有効な場合があります。

 

光を浴びるためにもっとも簡単なにできることが昼間、外出することです。

太陽が出ている時間に外出すればよいのです。

 

外出は適度な運動にもなり、気分転換にもなります。

太陽光に当たることは、睡眠とかかわりがあるホルモン・メラトニンの分泌にも影響があるので、睡眠の質の向上にも寄与すると考えられています。

 

また、日光を浴びることで、体の中でビタミンDがつくられ、骨粗鬆症の予防などさまざまな効果があります。

 

まずは数分、数十分でもいいので、外出することをお勧めします。

 

もし外出できないときでも、カーテンを開けて外光を室内に採り入れるだけでもかなり違います。

朝、目が覚めたら、カーテンを開けて、お日様の光を部屋に入れ、多少まぶしくても光をたっぷり浴びる。

これがもっとも自然な治療法で、「心と体の健康」にいちばんいいと信じています。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

ビタミンB12について?

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