長い人生だからこそ、細胞レベルの老化防止を
長い人生だからこそ、細胞レベルの老化防止を
「老化の原因は“細胞の炎症”である」
これは、フランスの予防医学・抗加齢医学の権威クロード・ショーシャ博士が提唱する理論で、博士はこの考えに基づいて炎症を最小限に抑えるさまざまな方法を実践しています。
このメソッドに感銘を受けた私は日本でも実施したいと考え、直々に指導を仰ぎ「和田秀樹こころと体のクリニック」を開設しました。
ショーシャ博士は、人間はもともと長寿の遺伝子を持っており、100歳どころか120歳まで生きられると述べています。
しかし、実際の平均寿命が下回っている理由が、“細胞の炎症”なのです。
もう少しわかりやすく説明しましょう。
皆さんは、中学校の授業で「酸化」について学んだ記憶があると思います。
金属が酸素と結びつくと「酸化」が起き、熱が発生し、錆びつくという化学反応です。
人間は呼吸によって酸素を取り入れているので、同じように体の中で酸化が起きています。
それによって、熱エネルギーを得ているのですが、金属と同じように錆びついて古びていっているのです。
この酸化の原因となるのが細胞の炎症なのです。
私たちの体のすべては、細胞からできています。
内臓も、皮膚も、骨も、脳も、髪の毛の1本1本に至るまですべて細胞で構成されています。
そして、その細胞は「細胞膜」によって包まれているのですが、この細胞膜は必要な栄養素を通したり情報のやり取りをするという、非常に重要な役割を担っています。
そんな重要な役割を持った「細胞膜」が傷ついた状態が「細胞の炎症」なのです。
たとえば、転んでできた傷から雑菌が入ると、腫れ上がったり熱を持ったりします。
足をくじいたときなどもはれて患部が熱くなりますね。
これは、傷ついた部分の組織を修復するために、さまざまな物質が分泌されているためなのですが、細胞膜が傷ついた場合も、同様のことが起きるのです。
炎症が起きると、細胞まで栄養が届きにくくなりパフォーマンスが下がってしまいます。
これが、あらゆる老化現象の原因だとショーシャ博士は述べているのです。
また、人間は呼吸によって酸素を取り入れますが、その時に活性酸素などのフリーラジカルも生み出します。
フリーラジカルとは、不安定で反応しやすい分子や原子のことで、不安定になると細胞を破壊したりします。
健康意識の高い人なら「活性酸素」についてご存知かもしれませんが、活性酸素は、酸化させる力が非常に強いため、体内に入り込んだ悪い菌を駆除するという大切な働きもしますが、細胞にもダメージを与えてしまうのです。
人間は呼吸によって生きているので、酸化自体は自然現象で病気ではありませんし、それによる炎症は避けられません。
けれど、老化を防ぐために、少しでもその炎症反応を増やさないようにしようというのが、ショーシャ博士の考え方なのです。
「感情の老化を防ぐ本 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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