感情の波からいったん降りる技術を身につける

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感情の波からいったん降りる技術を身につける

 

頭で渦巻く感情や思考は、

意思の力で止められるものではありません。

自分をクールダウンさせるために、体のほうから

感情をコントロールするテクニックが有効です。

 

時には感情が揺らぎ、大きく波立ったとしても、その流れをいったん自分で切ることができる。

身をもってそう知ったのは、永平寺の役寮時代でした。

曹洞宗の総本山である永平寺は、大勢の僧侶が所属する巨大組織です。

僧侶の集団といえど、役職が決められ序列がはっきりしています。

その意味では、一般の大企業と同じです。

部下は動かないし、上司は話が通じません。

日々イライラすることもあれば、ときには、怒りが収まらないことも起こります。

 

しかし、禅僧には坐禅があります。

日課坐禅によって感情や思考がいったん遮断されると、自然に意識がクールダウンし、状況を新しい視点で捉え直すことができます。

「部下が失敗したのは、自分の指示が悪かったのかもしれない」

「そもそも初めから、失敗しても仕方がないと思ってまかせたのではないか」

どんなに腹が立っていても、坐禅後はそう思い直し、自分がどう動けばいいのか、次の展開が見えることがよくありました。

 

思考や感情の波に巻き込まれたまま、物事を考えても意味はありません。

感情の流れを切ることが、習慣として身につけられるかどうか。

「不動心」を育むためには、これが外せません。

 

しかし、頭で渦巻いている感情や思考は、自分の意思で止めようと思って止まるものではありません。

感情や思考の動きを沈静化させ、意識の方向を切り替えるためには、体のほうから感情をコントロールするテクニックが必要なのです。

僧侶としては、まず坐禅をおすすめします。

一定の指導と訓練が必要ですから、興味があれば坐線指導をする寺院に足を運んでみるといいでしょう。

ただ、日常生活の中で思考や感情をいったん遮断して、クールダウンする気軽なやり方もあります。

感情からいったん降りて、「平場」に戻す方法です。

たとえば、散歩する、昔の愛読書を読む、お茶をじっくり味わう。

食事をひとりで味わって食べる、肌の感覚に意識を向けながらお風呂に入る。

そういったことを行うと、思考や感情の揺れが静まります。

心がざわざわするときは、昔のアルバムを見ると話す女性もいました。

意外かもしれませんが、草むしりや雪かきなどの単純労働も役立ちます。

単調な肉体労働を繰り返すと感情の起伏が収まり、クールダウンしやすいのです。

 

ある人が「お寺にお参りすると心が落ち着くので、感情をリセットできる気がします」と言いました。

確かに、寺社参りはもともと日常から離脱するという側面を持っていました。

しかし、「パワー」や「御利益」をもらい、「癒やされ」に行く参拝であれば、要するに「取引」です。

何か「いいこと」を当てこんでする行為では、クールダウンにはなりません。

 

クールダウンは、「気分転換」や「リフレッシュ」とは違います。

考える前の助走のようなもの。

いったん場をならして、次の試合のためのグラウンド整備をするようなものです。

ですから、新たな刺激がなく、日常的にできることにかぎります。

温泉や旅行に出かけるとリセットできそうですが、非日常の刺激はこの場合不向きです。

また、ワクワクしたり興奮したりすることもおすすめできません。

昔の愛読書といっても、胸躍るような冒険小説やファンタジーではダメです。

淡々と読める短編集や絵本がいいでしょう。

散歩や入浴、お茶や食事などでクールダウンするときは、五感に集中することが大切です。

 

今挙げたものにかぎらず、最終的に自分に合った方法を探せばいいのですが、押さえておくべき点が2つあります。

物理的にひとりになること。

そして、あまり動かずにできることです。

この技術はふだんから準備していないと、イザというときに使えません。

また、しばらくやらないと必ず錆びつきます。

習慣として、日常の中に組み込んでおくといいでしょう。

坐禅同様、これも技術として身につけていくためには、一定の訓練が要ります。

しかし、試してみる価値、自分のものにする価値はあるはずです。

「禅僧が教える心がラクになる生き方 より」

 

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最近、電車の中でキレる人を見かけます。

少し前までは、電車の中で暴れるのは酔っぱらいか、普段から暴力的な人と相場が決まっていました。

でも、最近は違ってきています。

しかも、普段はおとなしく、礼儀正しい人なのに、ついカッとしてキレてしまったという人がとても多いのです。

受けたストレスをコントロールすることができず、感情を爆発させ、普段では決してしないような行動をとってしまう、これがいわゆる「キレる」という状態です。

この「キレる」という行為、原因を簡単に言うと、「ストレス」です。

これはまさに「セロトニン神経」の機能低下が原因だと考えています。

 

セロトニンは脳に静かな覚醒をもたらします。

これは別の言い方をすれば「平常心」をもたらすということでもあります。

平常心を保つというのは、脳の切り換えがスムーズに行われ、どこも暴走も興奮もしていない状態のまま、スムーズに働いているということです。

セロトニン神経の機能が低下すると、感情や精神状態を普段の冷静な状態にキープすることが難しくなることは充分に推測できます。

そしてこのことは、キレる人が朝の満員電車よりも、夜の帰宅時に多いということからも証明されます。

 

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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