「ゴースト化」から毛細血管を守るには

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「ゴースト化」から毛細血管を守るには

 

昨今、メディアを中心に、毛細血管がくずれた状態を、体が透き通って消えていく幽霊になぞらえてゴースト血管と呼んでいるようです。

正式な医学用語ではありません。

 

毛細血管のゴースト化は40代くらいから始まるといわれ、60代になると皮膚の毛細血管が20代の半分近くまで減少するという報告もあります。

40代からゴースト化が進むのは、老化に加えて、高血圧や高血糖脂質異常症の影響で血管が傷つくからと考えられます。

 

ゴースト化の何が問題かというと、酸素や栄養が届かなくなるために、臓器の機能が低下することです。

また、血液は免疫細胞も運んでいるので、毛細血管を通って体のすみずみまでパトロールすることができなくなると、免疫機能がおとろえて、感染に弱くなったり、がんの発生を食い止められなくなったりするおそれがあります。

さらに、人の体は温かい血液が全身をめぐることで体温を維持しているため、ゴースト化が進むと体温を維持しにくくなり、このことも臓器の機能低下を招きます。

 

そして、思い出してほしいのが、古くなった細胞や異常蛋白質の蓄積が慢性炎症を引き起こすことです。

微小循環には、たまった老廃物を取り除く働きがあります。

そのため、毛細血管のゴースト化によって古い細胞のカケラや異常蛋白質を取り除くことができなくなれば、慢性炎症が進み、組織の老化につながります。

 

ゴースト化を防ぐには、血圧、脂質、血糖の数値を下げて血管を守り、血液のスムーズな流れを維持する必要があります。

それには脂肪の摂取を減らし、食物繊維を摂り、有酸素運動を行って内臓脂肪を落とすのが重要です。

これも動脈硬化対策と共通ですね。

 

自律神経のバランスを整えるのも有効とされています。

自律神経は交感神経と副交感神経からなり、普段はこの2つがバランスよく働いています。

このうち交感神経は元気に活動し、ストレスと戦うための神経で、ストレスを感じると、生命に直結する脳と心臓に血液を集中させようとして全身の血管を収縮させます。

一方の副交感神経はリラックスのための神経です。

呼吸と脈拍を穏やかにして、毛細血管をゆったり広げて流れをよくします。

 

長期にわたってストレスが続くと、交感神経ばかりが強く働くようになって、毛細血管の流れが悪くなってしまいます。

不規則な生活も問題です。

夜は本来はリラックスのための時間なのに、夜更しすると脳の緊張が続き、交感神経が過剰に働くことになります。

夜はぬるめのお風呂で緊張をほぐし、決まった時間に床に入りましょう。

この他に、糖尿病があると高い濃度のブドウ糖が自律神経を障害するため、やはりバランスが乱れやすいことがわかっています。

 

そして、もうひとつ大切なのが運動です。

海外での調査から、日常的に足腰をきたえている高齢者は微小循環の機能が保たれ、慢性炎症が少ないというデータが得られています。

これを受けて、テレビや雑誌などが「体の一部をもんで血流を促すとよい」「その場で足踏みをするのが効果的」などの健康法を紹介しています。

しかし、気が向いたときに、その程度刺激するだけで効果があるとはとうてい思えません。

 

現在のところ有効と考えられているのは、筋力トレーニングか、早歩き、自転車こぎなどのやや強めの有酸素運動を一日に20~30分、16週間以上にわたって続けるというものです。

日常生活のなかで行おうと思うと、歩く、階段を使うなどの細切れ運動を相当積み重ねる必要があるでしょう。

「「日本人の体質」研究でわかった長寿の習慣 より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

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