他人の立場に自分を置いてみる
「他人の立場になってみる」のは大切なことだ。
人とつきあっていると、腹の立つこともあれば、思いどおりにいかないこともたくさんある。
そんなとき、相手の立場になってみれば、「それもまあ当然かな」と思うことも多いのではなかろうか。
たとえば、嫁ぎ先のおかあさんが夫のことばかり大切にして、少しも自分を気にかけてくれない。
何かといえば「ちょっと味つけが濃いわねえ」と「今の若い人はラクチンね」などという。
お嫁さんは、なんてイヤミなお姑さんだろうと苦手意識を持つ。
しかし、お姑さんの立場になって考えてみたら、どちらが大切か。
長年、育ててきた息子と、いきなりわが家にきたお嫁さんと、どちらが大切か。
今まで他人だったお嫁さんと、最初はちょっとなじめなくてあたりまえである。
いきなり「家族」に入ってきた人にちょっぴり反感を持つのは当然かもしれない。
お嫁さんとはこれから仲よくなっていくのである。
こういうふうに考えてみると、自分の味つけと比べたり、自分の若いころと比べたりして、ついひと言いうからといって、それほど意地悪なお姑さんとはいえないだろう。
あなたも友人の作ってくれた料理に、「これ、ちょっと味が濃い」といったことはないだろうか。
そんなものだと思えばよい。
お姑さんからそういわれたときは「あら、からかったですか。おかあさんはどれくらいの味つけにします?」と聞けばよい。
「今の若い人はラクチンね」といわれたら、「おかあさんのころはどうだったんですか?」と話のタネにする。
すると会話が広がっていくだろう。
早く仲よくなれるきっかけにもなる。
「私はあんなイヤミな姑さんにはならない。いつか自分の息子が結婚したら、お嫁さんにやさしく親切にする。絶対、料理の味つけに文句なんかいわない」という人もいるだろうが、それは数十年後の話だ。
自分の立場でばかり考えていたら、世の中、腹の立つことだらけである。
しかも、自分の立場にしか立てない人は、人からは大切にされない。
それでますます腹が立つ。
自分の立場でばかり考えて、主張すればするほど、かどが立ち、そんな人はうとんじられる。
感情の悪循環がはじまるのである。
「ほがらかに品よく生きる より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
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