男女の会話は方向が真逆
男女の会話は、方向が真逆だ。
何かことが起こったとき、女性はことの発端から話したがる。
「そういえば3か月前、あの人にこう言ったら、ああ言われて、こうしたら、ああなって……」というように。
女性脳がこれをするのにはわけがある。
女性脳をデータベースに見立てて解析してみると、女性脳は、プロセスから知を切りだすことに長けているのがわかる。
女が長々とプロセスを語るのは、脳がその裏で、無意識のうちにプロセスから知を切りだそうとするためだ。
誰が悪くてこうなったのか、どうすればいいのか、私にもできることはなかったのか……。
女性脳は、気持ちよくしゃべらせておけば、裏で真実を探し出す演算を行い、最適解を弾きだしてくる。
この演算は、最も合理的で、最も謙虚なのだ。
だから、女の話は、邪魔しちゃいけない。
共感しながら、気持ちよく聴く、がセオリーなのだ。
プロセス指向共感型モデルと、私は読んでいる。
一方、男性脳の方は、女性脳よりはるかに小さなワーク領域で会話を片付けなきゃいけないので(男性脳には、おしゃべりとは別の仕事がある)、非常に合理的な会話スタイルを持つ。
最初に、この会話の目的や結論を明らかにし、余分なことはなるたけ排除する。
そして、相手の話に問題点が見つかれば、それを素早く指摘して、会話を終わりにしたいのである。
ゴール指向問題解決型モデルである。
女性の脳は、ことが起こると、その経緯を共感(「きみの気持ち、よくわかるよ」)によって気持ちよく聴いてもらい、真実演算を施すように作られている。
なのに、男性は、「何の話?」「結論から言ってくれる?」「あー、それは、○○だよな」「きみも○○すればよかったのに」なんて、余計な問題解決で一刀両断にしてくる。
もちろん、すばやい問題解決で他者を救おうとするのは、男性脳の正義と誠実であるのは間違いない。
しかし、これをされると、女性脳の真実演算はアボートされる。
アボートとは、演算が中断して、それまでの途中演算が全て無為になることだ。
多くの場合、同じ質の演算は二度と起動できない。
このため、女たちはショックを受ける。
脳に渦巻くあまりのストレス信号に、逆ギレするしかないのである。
男の方は、びっくりである。
わかりにくい話をしんぼう強く聞いてあげたのに「あなたは私の話をちっとも聞いていない」となじられ、親切にアドバイスしたのに「そんなこと聞いてない」とキレられる。
いやいや、相談事があるって、言ったじゃないか……。
かくして、男は無神経、女は度し難し、となるのだが、これは、脳の操作を間違っただけ。
この世には、何語であろうと、二つの対話スタイルがあり、女性は主にプロセス指向共感型で、男性は主にゴール指向問題解決型で対話を進めたがる。
そして、異なる対話モデルでしゃべろうとすると、互いに傷つけあうことになるのだ。
そんな重要なことを、なぜ、義務教育の国語か家庭科で教えないのだろうか。
30年ほど前、若き日の夫の言動に、あれこれ傷ついていた私は、人工知能研究が教えてくれた知見に、あんぐりと口を開けてしまった。
だから、である。
この知見は、人工知能の研究室に閉じ込めておくのはもったいないと痛感した。
生身の男女が知るべきだと。
そうして、論文を書く時間があったら、本を書いて世間に知ってもらおうと決心したのだ。
「成熟脳 脳の本番は56歳から始まる より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!