◆健康寿命を延ばすには、カロリー制限よりAGE制限が重要か?

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健康寿命を延ばすには、カロリー制限よりAGE制限が重要か?

 

ダイエットを考えるとき、真っ先に頭に浮かぶのがカロリー制限でしょう。

昔から健康には腹八分目という“節食”が大切とされてきました。

 

そして、この場合、節食とは一般的にカロリーを減らすことだと考えられています。

その草分けともいうべき研究は、1935年。

米国のコーネル大学ノクレイプ・マッケイが行ったネズミの実験です。

彼はこの年、「餌の量を減らしたネズミの寿命が延びる」ことを明らかにします。

そして、それ以降、ネズミなどの多くの実験動物でカロリー制限することで寿命が伸びることが示されてきました。

 

しかし、その一方で、延長効果がもっとも顕著に認められるのは、普段から質の悪い餌を無節操に摂っているグループであることが示されました。

一方で、普段から質のよいエサを適量与えられているグループでは、カロリー制限による老化予防効果はほとんど認められませんでした

 

この食事の質を決めていたのは、砂糖、食物繊維、ビタミン、ミネラルの含有量や脂の種類などだったようで、これらの摂取量の違いがAGEの蓄積に大きな影響を及ぼしたかもしれません。

 

 

以上、一連の研究結果から見えてくるのは、健康寿命を延ばすには食事の量とともに質にも配慮すべきであること、そして食事の質を考えるときには栄養のバランスだけでなく、AGEにも留意する必要がありそうだということです。

 

さらに、これまでに人を対象に行われたAGE制限食のデータをまとめると、AGE制限食により、血中の炎症・酸化ストレス・血管障害のマーカーや悪玉のLDL-コレステロール、AGE値が低下し、インスリンの働きをよくする「アディポネクチン」と呼ばれるサイトカインや、長寿遺伝子が増えることが明らかにされています。

以前に行われたカロリー制限食の研究でも長寿遺伝子が増えることが示されていますので、ここでもカロリー制限食の効果の一部にAGE制限が関与していることが推定されます。

「老けない人は何が違うのか より」

 

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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。

ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。

心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。

この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。

 

それはビタミンBです。

ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

ビタミンB12について?

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