第1章 年齢より老けて見えるのは“AGE”のせい
全身を壊す人類最大の敵
老化の原因としては有名な「酸化」。
皮をむいたリンゴの表面が茶色く変色するのと同じように、酸素によって細胞が錆びたような状態になってしまう現象です。
そして、もうひとつ老化の原因となる現象があります。
タンパク質がブドウ糖と結びついて劣化する「糖化」という反応で、焦げたような状態です。
この反応で生み出されるのが、AGE(Advanced Glycation End Products)であり、「終末糖化産物」と訳されています。
このAGEは、いちど生成されるとなかなか体外へ排出されない厄介な物質で、しかも、身体のさまざまな組織を壊して老化の原因となる非常にタチの悪い物質なのです。
とくに、血管、腎臓、筋肉、コラーゲンに大きな害を与え、高血圧や心筋梗塞、脳卒中、骨粗鬆症、アルツハイマー、がんなどの重大な疾患とも関わりがあり、皮膚のシワやシミといった老化現象まで、とにかくさまざまな悪影響を与えているのです。
AGEを溜めないためには、糖質の摂り過ぎを避け、余分な糖質をなくすことが何より大事です。
また、AGEを含む食品を食べることでも蓄積されていきますので注意が必要です。
酸素もブドウ糖も生命を維持するために絶対必要なものですが、日々の食事内容が老化現象の原因にもなっているのです。
AGEが発生する仕組みと影響
AGE(Advanced Glycation End Products)は終末糖化産物とも呼ばれる。
年齢とともに自然に増えていきますが、糖質を摂り過ぎると加速度的に増えてしまいます。
体内でAGEが生成される
糖質とタンパク質が体温で熱されて結びつく
↓
AGE
体外から取り込まれる
糖質とタンパク質を焼く
↓
AGEを含む食べ物に
↓
食べる
↓
AGE
AGEが蓄積すると……
皮膚に蓄積すると……シミ、シワ
血管に蓄積すると……動脈硬化
腎臓に蓄積すると……腎症
骨に蓄積すると……骨粗鬆症
そのほか、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、アルツハイマー、ガンなどにも影響
「糖質の話 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12について?