「調理方法」でAGEを抑える
◆「スローフード」がAGEためないコツ
スローフードは、ファストフードの心身や食文化への悪影響を懸念して提唱された社会運動であり、伝統的な食文化と食材を守ろうとするものです。
スローフードでは、「食材をゆっくり育て、ゆっくり調理し、ゆっくり食べる」こと、また、「地域に根ざした食材を使って、丁寧につくられた料理」の大切さを説いています。
「AGEためない食事スタイル」という観点から見ても、スローフードには共感を覚えます。
というのも、強火で加熱調理した食材は軒並みAGE多く含んでいるからです。
私たちの体内では、食べ物を消化・吸収・代謝する過程で、さまざまな化学反応が起きています。
通常、この化学反応には酵素と呼ばれるタンパク質が触媒の形で関わっています。
酵素は、いわば化学反応のスイッチを入れる役目を果たします。
そのため、酵素が働かなければ、ほとんどの化学反応は起きず、健康が害されることになります。
多くの酵素は、人間の体温である37℃くらいで最も効率的に働き、高温下ではその活性を失います。
ところが、AGE形成される過程には、全く酵素反応が介在しません。
そのため高温になればなるほど化学反応が進行するという法則がそのまま当てはまります。
ファストフードの真骨頂は、文字どおり「調理の速さ」にあります。
それを可能にしているのが油を用いた高温調理です。
揚げる、炒める、焼く……。
時には調理温度が200℃を超す場合もあります。
たしかに、加熱温度が高ければ高いほど調理時間は短くてすみます。
しかし、同時にAGEがどんどんできてしまいます。
調理温度が10℃上昇するとごとにAGEは2倍に増えてしまうという研究結果もあるくらいです。
「老けない人は何が違うのか より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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