「切って茹でて水にさらす」でほうれん草のビタミンが激減!
ビタミンCは水と熱で失われる
どんなに素晴らしい栄養素を含んだ食品でも、調理法によっては、台無しにしてしまうことも少なくありません。
たとえば、ほうれん草。
ほうれん草に含まれる主な栄養素のひとつに「ビタミンC」があります。
ほうれん草にはアクのもとである「シュウ酸」が含まれており、これをとり除くため茹でてから水にさらすのが一般的な調理法です。
ところがビタミンCは水に溶けやすく、茹でる、煮るなどの加熱調理に弱い性質があります。
茹でるだけで40%ものビタミンCが失われるうえ、水にさらすとさらに多くのビタミンCが流出してしまうことになります。
ほうれん草からビタミンCをとるなら生がベターですが、加熱によりかさが減り量をとりやすくなれば、損失があっても効率よくビタミンCをとることも可能です。
茹でる場合は、切り口からビタミンCが流れるのを防ぐため、根元を落としたりきざんだりせず、株ごと茹でるのが基本。
30秒程度で火からおろし、水にさらすのも短時間で収めましょう。
ラップにくるんで電子レンジで加熱する方法もあります。
栄養素の損失を防ぐには、できるだけ新鮮なうちに消費することも大切。
保存期間が長引くほど栄養素は失われてしまうので、買ってすぐに食べ切るか、冷凍するのもおすすめです。
ほうれん草のアク抜き方法
◎鍋で
たっぷりのお湯で30秒ほど塩茹でしたあと、冷水であら熱をとります。
※かつお節で旨味を足すことで、アクの雑味をやわらげます。
◎レンジで
食品用フィルムで包んで20秒ほど過熱し、冷水にさらします。
※多少アクは残ります。
ほうれん草の効率的な食べ方
◎スープで
ビタミンCは長時間の加熱に弱いので、できるだけそのまま食べるのがおすすめですが、煮汁も一緒に食べられるスープにすれば余すことなく食べることができます。
◎細かく切りすぎない
切りすぎてしまうと断面からビタミンCが流れ出てしまうので注意が必要です。
また、切ったところから酸化が進むので、早めに調理しましょう。
◎水にさらす場合は短時間
ビタミンCは水に溶けだしやすいので、必要以上に水洗いするのはやめましょう。
茹でるよりも炒めたり、揚げたりするほうがビタミンCの損失を防ぐことができます。
◎こまめに食べる
ビタミンCは体内でつくることができないうえ、すぐに体外に排出されてしまいます。
一度の吸収量が決まっているので、こまめに食べましょう。
「栄養素の話 より」
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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
それぞれの栄養素のよい点を最大限に引き出すためには、多種類の栄養素をバランスよく摂取することが非常に重要です。
そのためには、食品を組み合わせて食べることが一番の早道。
ひとつの食品には多くの栄養素が含まれるので、組み合わせる食品の数を増やせば増やすほど、一度に多種類の栄養素をとることができます。
食事のバランスは効率のよい栄養素の摂取に直結しているのです。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として新しく注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12は主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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