にんじんは皮ごと食べなければ無意味?
皮に多いβ-カロテンは油と好相性
にんじんを調理するとき、皮をむいて使っていませんか?
実はこれ、せっかくの栄養素をムダにしてしまう食べ方なのです。
にんじんに含まれる主な栄養素は「β-カロテン」。体内で「ビタミンA」にかわり、光を感知する網膜の色素をつくったり、皮膚や粘膜の細胞の再生を助けたりします。
高い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防にも役立っています。
にんじんのβ-カロテンの含有量は、芯の部分よりも外側に近くなるほど多くなります。
にんじんを丸ごと加熱してみるとよくわかりますが、にんじんの表面はごく薄い膜のような表皮で覆われており、この付近にβ-カロテンが豊富に含まれているのです。
ですから、にんじんを調理するときは、よく洗って皮ごと使うのがベストです。
どうしても気になる場合は、皮むきグローブなどを使ってできるだけ薄く表皮だけを落とすようにすれば、栄養素の損失を少なくできます。
そして調理法を工夫することでβ-カロテンの吸収をさらにアップさせることも。
Β-カロテンは熱に強く、油との相性もよい栄養素です。
生の場合と、油で調理した場合の体への吸収率を比べると、その差はなんと8倍以上。
にんじんのしりしりやグラッセなど、油を使ったメニューで皮ごといただきましょう。
にんじんは皮が大切
にんじんは部位によって含まれる栄養素が異なります。
葉の部分には食用部分の5倍のカルシウムが含まれています。
また、にんじんの代表的な栄養素であるβ-カロテンは、中心部分よりも外側の部分が多く、その差は約2.5倍にもなります。
栄養が奪われる前に葉はすぐ切り落とす!
外側には中心の2.5倍のβ―カロテン!
知っておきたいにんじんの食べ方
◎加熱時も生でも油脂と一緒に
にんじんに含まれるβ-カロテンは油と相性がよいので、炒めたり、植物油などで和えるとさらに吸収率が上がります。
また、献立に肉や魚料理があれば、肉や魚の脂で吸収は促されます。
◎生の場合注意
生のにんじんに含まれるアスコルピナーゼにはビタミンCを酸化させる作用があります(酢によってその作用は弱くなります)。
ビタミンCが多く含まれる野菜と合わせると充分に摂取できなくなってしまいます。
「栄養素の話 より」
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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
それぞれの栄養素のよい点を最大限に引き出すためには、多種類の栄養素をバランスよく摂取することが非常に重要です。
そのためには、食品を組み合わせて食べることが一番の早道。
ひとつの食品には多くの栄養素が含まれるので、組み合わせる食品の数を増やせば増やすほど、一度に多種類の栄養素をとることができます。
食事のバランスは効率のよい栄養素の摂取に直結しているのです。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として新しく注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12は主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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