第4章 趣味をより楽しむコツ
「中年以降の趣味は、型にこだわらない、自分ならではの工夫や独自性を発揮できるもの、方法が望ましい」
しかし実際にはどんな趣味であれ、自分ならではの工夫や独自性を発揮できるかどうかは、自分次第、というところがあります。
楽器演奏にしても写真にしても、本来はどんなふうに演奏しようがどんなふうに撮ろうが、本人の自由なのです。
もちろんそれ以前に音の鳴らし方、カメラの使い方など基本的なスキルを習得することは必須ですが、そこのところさえクリアできれば、自分の弾きたいものを弾きたいように、撮りたいものを撮りたいようにすればいいだけのことです。
ところが、これは比較的男性に多い傾向なのですが、歳をとるとどうしても「技術」に走りがちなのです。
ある写真教室の講師の方からうかがった話ですが、どのクラスにも、教室の仲間に対して、「この写真は露出オーバー気味だ。シャッタースピードが遅すぎたんじゃないか」とか「搾りをもう少し開き被写界速度を浅くして、背景をぼかしたほうがいい」とか、やたらアドバイスをする中高年男性の「教え魔」がいるものだ、というのです。
また、若い女性の生徒は、「花の色がいきいきとして、きれいな写真をとりたい」など、自分なりのイメージを表現することを重視するのに対し、中高年男性は、「構図は……」「露出調整は……」と技術的な細かなところにこだわる傾向があるそうです。
そうすると、確かにこうした中高年男性のほうがテクニック的には上達するのですが、彼らの撮る「面白いな」と思う写真はめったにないといいます。
一方で、ある程度「型」も必要とされそうな社交ダンスですが、しかし例えば「タンゴ」などは、もともとが阿波踊りのようなもので、あまり型的な要素はなく、「まあ、男性がなんとかして女性を引っ張り込むようなそんな大胆な気持ちや姿勢でやれば、サマになるものですよ」と、ダンスの先生にもうかがったことがあります。
スキルやテクニックにはまりやすいのも、前頭葉が老化したときに現れやすい傾向のひとつですが、それであればなおさら、スキルやテクニックなどは二の次にして、「上手になる」より「好きなようにやる」ことを目指したほうがよいのです。
「50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?