第7章 老人になると依存傾向が起きやすい理由

第7章 老人になると依存傾向が起きやすい理由

 

高齢の両親と同居をしている人から聞いた話です。

 

「両親ともに、娘である私になんでも頼ってくるんです。同居を始めた頃はよかれと思ってなんでもサポートしていたのですが、自分たちでやれそうなことまでだんだん私に頼ってくるようになってきて……。娘に対する甘えもあると思いますが、あまりにも増えたので、最近は自分でやるようにと突っぱねることもあるんです」

 

 

こういう話はよくあることだと思います。

 

人間は環境に適応する生き物です

助けてくれる人がいると、ついつい頼ってしまい、できるだけ自分はラクをしようとしてしまうのです

 

でも、そうやってラクばかりすると、脳の老化は明らかに進みます。

なぜなら、脳は「使わない機能はいらないもの」と判断するからです。

 

 

脳を老化させないためには、自分でできることはできるだけ自分でやったほうがいいと思います。

 

電車に乗っているとき、高齢者に席を譲ることはマナーとしてはとてもいいことだと思いますが、ただ電車内で立っていられる高齢者は、立っているほうがいいときもあります。

 

電車の揺れの中で立っていることは、足腰や体幹を鍛えることができるので、電車内トレーニングをしているくらいの感覚で、立っているほうが体にはいい場合もあるのです。

 

もちろん、理由があり立つことが難しい場合は無理をせず譲ってもらうほうがいいと思いますが、一概に「高齢者だから座ったほうがいい」という考えは、高齢者にとってもマイナスになる可能性があります。

 

席を譲ってもらえると最初から思ってしまうと、脳がだんだんそのモードになっていき、そのうち電車で立っているのがきつい体になってしまうかもしれないからです。

 

 

依存傾向がある人は、自己重要感が満たされていないパターンもよく見受けられます

自分に力がないと周りが助けてくれる、みんな私のことに注目してくれる=嬉しいという構図になってしまい、より周りに依存してしまうのです。

中には理不尽に怒りだしてしまう人もいます。

また高齢者ほどオキシトシンの分泌が増えるため、より人とつながりたいという気持ちが出ることも、依存傾向を強めるきっかけになることがあります。

 

 

加齢とともに何をするにも面倒になってきて、周りに頼れる人がいるとついつい頼ってしまうことがあります。

 

「ビンのキャップがあかないので、開けて」

スマホの使い方がよくわからないので、代わりにやってもらえる?」

「買い物に行くのが面倒だから、代わりにスーパーに行ってきて」

 

ついつい頼んでしまいがちなことですが、安易に依存するのはよくありません。

依存していることを自分でできなくなるスピードが早まる可能性があるからです。

 

脳はイメージにも反応します。

 

たとえば、「レモンを口に入れたところを想像して」と言うと、多くの人はイメージしただけで口の中に唾液が出てきます。

 

たとえば、花粉症の人がその日はくしゃみや鼻水が出ていなかったのに、「花粉症がきょうは出てないな」とイメージしたとたんに「クション」とくしゃみが出てしまうなんてことも、あることです。

イメージに脳と体が反応してしまうのです。

 

自分でできることはできるだけ自立してやることが脳にも、体にもいい影響を及ぼします。

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。

役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。

これが、正常なストレス反応の流れです。

 

ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。

こうなると、状況が一変します。

コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。

まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。

 

副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。

そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。

その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。

 

また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。

私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。

このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアATPが十分につくれなくなる。

ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/