第1章 腸内環境を悪化させるストレス
第1章 腸内環境を悪化させるストレス
ストレスも高血糖の原因に
血糖値を上げる要因として、ストレスも意外に無視できない存在です。
現在社会では日々さまざまなストレスを受けますが、ストレスを溜め込むと身体にいろいろ悪影響が出てきます。
まず私たちはストレスを感じたとき、アドレナリンが分泌されて興奮状態になります。
これ自体は一時的なものなのでとくに問題はありませんが、そういったストレスを長く引きずっていると、アドレナリンに代わってコルチゾールという副腎皮質ホルモンが出ます。
ストレスが過剰に加わると次第に免疫力が低下して、さまざまな病気にかかりやすくなってしまいます。
さらにストレスは血糖値まで高めてしまうこともわかっています。
血糖値が上がれば肥満につながりますから、ストレスは肥満や糖尿病の原因にもなっているといえます。
また、ストレスは腸内環境を悪くすることも知られます。
腸内には1000種類を超える細菌が存在し、その中の善玉菌と悪玉菌のバランスが様々な病気に影響しますが、ストレスを受けると悪玉菌が増えてしまうのです。
それに加え、“リーキーガットシンドローム”を引き起こすことも。
これは腸粘膜に小さな穴が空いて老廃物の毒素を体内に取り込んでしまう症状です。
ストレスを溜め込むとこうしたデメリットがあるので、早めに解消しましょう。
ストレスとコルチゾール
ストレス
↓
↓指示
下垂体
↓指示
副腎皮質
↓
コルチゾール分泌
ストレスを感じると視床下部→下垂体→副腎皮質という指示系統を経てコルチゾールというホルモンが分泌されます。
この分泌量が多過ぎると血糖値が上がりやすくなります。
リーキーガットシンドロームとは?
◆正常な状態の腸粘膜
不要な老廃物はブロックして便へ
有害物質を免疫細胞が攻撃
◆リーキーガットシンドローム
粘膜のひだに穴が空いてしまう
本来取り込むべきでない有害物質が入り込んでしまう
腸内細菌のバランスが崩れたときに起きる症状のひとつ。
腸膜に穴が空いて有害物質を取り込んでしまい、クローン病や食物アレルギー、リウマチなどを引き起こします。
「糖質の話 より」
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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアでATPが十分につくれなくなる。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
したがっていっしょにとるのが効果的です。
ビタミンB12について?