第8章 老人脳にならない人間関係のつくり方 うなずいてもらうだけで脳は大喜び!

第8章 老人脳にならない人間関係のつくり方

うなずいてもらうだけで脳は大喜び

 

「会話」は、一見何気なくやっているように見えますが、脳から見ると高度な作業をしています。

 

相手はどういう意図を持っているのか、それに対してどう返すか、頭の中でかなり考えないといけないので前頭前野が活性化し、老人脳を予防できます。

 

特に、夫婦や家族など日常よく話す相手ではなく、友人や初めて会う人など、より広くいろいろな人と会話することは、脳の視点で見れば、「脳トレ」をしているようなものです。

 

逆にいえば、1日中部屋にこもり、誰とも話さないままでいると脳の老化は進みます。

 

 

自分のことばかり話していたら要注意

 

共感脳が衰えて「人の気持ちを読む能力」が落ちてしまうと、人と会話する場面で自分の話ばかりして、相手の話をほとんど聞いていない、相手に興味を示さないなどの特徴が出てきます。

これは老人脳です。

自分のことばかり話す人、いますよね。

そういう人は要注意です。

 

 

もし、自分の話ばかりしてしまい、相手の気持ちを読んでいないなと気付いたら、それを直す方法があります。

 

「視線」に注目するという方法です。

 

自分の話をしている人の視線は、たいていの場合相手を見ているのではなく、相手と自分の間くらいを見ていることが多いです。

相手をちゃんと見ないで話していることがほとんどです。

しかし、相手をちゃんと見ると、相手に意識が行きやすくなります。

そうすると、相手のことを認知し、気持ちを読むこともしやすくなります。

視線を相手にしっかり向けることが「気持ちを読む」ことにつながるのです。

 

ちょっとしたことなのですが、これだけで会話は変化します。

 

 

次に会話では、相手の話を聞くことも大切です。

それもただ聞くのではなく、うなずきながら聞くと、脳が活性化します

実際によく講演会の参加者にやってもらうことがあります。

話に対してうなずかないでいてもらう時間と、うなずきながら聞く時間をつくってもらいます。

すると、うなずかずに聞いている時間は、話があまり入っていかないのです。

一方でうなずきながら聞く時間は、話が面白いように頭に入っていきます。

これは、うなずくことで脳のスイッチが入って、自動的に相手の話を聞こうとするモードになるからです。

 

私たちは過去に「うなずく動作をするのは、相手の話を理解したとき」という体験をしています。

すると脳はそのことを覚えていて、うなずく動作をした瞬間に、脳がいま言われていることを理解しようとするスイッチが入ります。

うなずくことで脳が活性化するので会話や講演を聞くことが脳活になります。

 

 

また、うなずくことは、聞き手だけでなく話し手の脳まで活性化させます。

 

会話における「うなずき」の効果を調べた実験があります。

うなずきロボットを使った実験です。

人がロボットに向かって話しかけ、その都度ロボットがうなずきます。

ロボットは、ただひたすらうなずくだけ。

話はできません。

そのときの話し手の脳の状態を調べました。

 

すると、驚きの結果が出ました。

話し手の脳をスキャンして調べると、ロボットがうなずいてくれただけなのに、かなり活性化していました。

また、うなずくだけで相手の印象が4割も高まってしまうという報告もあります。

 

 

人間は理解してほしい生き物です。

だから自分の話を聞いてもらっていると思えるだけで脳が反応し活性化するのです。

 

人の承認欲求は世代を超えて、誰もが持っている欲求です。

本当に承認されたかどうかわからなくても、「ただうなずいてもらうだけ」でも承認を感じ取ることができ、その相手がロボットだったとしても反応してしまうのが脳なのです。

 

「あなたを理解しているよ」というサインになる「うなずき」は重要な脳の活性化につながります。

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。

しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。

このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。

これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。

 

ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。

新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。

この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。

しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。

このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。

 

ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。

このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。

高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためにはそれに必要な素材として神経系構成成分つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。

その中でも重要なものがビタミンB12なのです。

脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/