「噛む」「嗅ぐ」で活性化する脳

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「噛む」「嗅ぐ」で活性化する脳
 
ところで食物を食べるには、噛まなければなりません。
そして、この噛むという行為が、脳を刺激して覚醒させます。
 
現代の日本人は、昔に比べて硬いものを食べなくなりました。
牛肉を例に挙げても、溶けるように柔らかい肉がもてはやされています。
しかし、柔らか過ぎる肉は、十分な咀嚼をせずに飲み込めてしまうのが問題です。
 
ですが、脳のためにも、意識的に噛むべきです。
特に朝食は、これでもかというほどに咀嚼してもらいたいものです。
雑穀や玄米を食べるべきです。
咀嚼回数が格段に増えますので。
 
それから重要なポイントは、いつも同じ歯で噛むのではなく、左右の歯や前歯など、使う歯を意識的に変えることです。
そうするだけで、脳の頭頂葉にある理解系脳番地が活性化され、脳の空間認知脳力が上るのです。
 
なぜ認知症の患者が徘徊してしまうかといえば、いま自分がどこにいるのか分からなくなっているからです。
これは理解系脳番地が働いていないときに起こります。
だから噛む行為を繰り返し、日ごろから理解系脳番地を鍛えるようにしてください。
それが認知症の予防になります。
 
それから「嗅ぐ」という行為も重要です。
 
食品や化粧品の香料を調合する調香師は、高齢になってもボケない人が多いそうですが、それには理由があります。
香りは感情系脳番地に関係しているからです。
 
逆に認知症になった人は、香りを認識する力が弱まってしまいます。
料理をするときには香りを意識しながら作り、食事の際にも食べる前には香りを楽しむという習慣を付けるべきです。
そうするだけで感情系脳番地は活性化していくでしょう。
50歳を超えても脳が若返る生き方 より」
 
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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
 
脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。
 
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
 
レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
 
また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
 
ビタミンB12について?
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