第3章 常識的でないことこそが高齢者のおもしろさ

第3章 常識的でないことこそが高齢者のおもしろさ

 

歳をとるほど常識的なことを言いたがる傾向がありますが、当たり前のこと、常識的なことを言っているかぎりは「おもしろい老人」にはなれません。

常識的、あるいは道徳的な高齢者こそが「品のある人」だと思われがちですが、それは「ただの人」です。

 

私が常識にとらわれなく生きている老人のイメージとしているのが、タレントの高田純次さんです。

この高田さんが、こんなことを話していました。

「歳とってやっちゃいけないことは『説教』と『昔話』と『自慢話』」

けだし名言というべきです。

 

「年寄りの説教はおもしろくない」と若い世代に煙たがられるのは、高齢者が、言わなくてもわかっているようなことを言うからです。

同じ説教でも、たとえば瀬戸内寂聴さんの説教はほかの人と違うことを言っていたから、多くの人が聞きたいと感じたのです。

 

歳をとるということは、いまさら常識に縛られる必要がないということです。

さらにいえば、常識的でないことこそが、高齢者のおもしろさでもあります。

ただこれは、非常識な老人になれと言っているわけではありません。

 

いかにも賢そうに見えて、よく聞くと常識的なことしか言っていない人もいます。

一方で、支離滅裂に見えても他人と違うことを言おうと努力している人もいて、そういう人の存在感はやはり際立っています。

 

毒にも薬にもならないような、たんに物知りなだけの高齢者をめざすより、「みんなはそう考えているかもしらんけど、こうなんやで」と言える、誰とも違う見方をする「おもしろい高齢者」をめざしたほうが、魅力的だといえるのではと思います。

 

そのためには、自分の頭で考え、人が言っていないことを探す必要があります

 

どんなことでもかまわないのですが、ありきたりではない話、おもしろい話をすることを意識しましょう。

 

「これを知らないと恥ずかしい知識集」などというものを必死に読んでいる人もいますが、「知らないと恥ずかしいこと」とは、すなわち「誰でも知っていること」であって、そんなことを知る必要があるとは思えません。

それを知れば、ほかの人と違うことを探す参考になるかもしれませんが、そんなことに時間を使うくらいだったら、人が言っていないことをどう探すかを考えたほうがいいでしょう。

「老いの品格 品よく、賢く、おもしろく より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

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