不愉快な言葉は笑いを交えて流す
相手のネガティブな言い方をポジティブに解釈するのは、なかなか難しいことです。
ケチョンケチョンに言われて、ポジティブな要素など皆無ということもあると思います。
そういう場合は、受け流す必要も出てきます。
ある有名なミュージシャンに、こんなエピソードがあるそうです。
コンサートの最中、不愉快なヤジが飛ばされました。
すると、そのミュージシャンはこう言ったそうです。
「構わないほうがいいよ。あいつ、明日会社で、オレと話したとか言うんだぜ」
会場は大爆笑で、その日はそれ以上ヤジが飛ばなかったそうです。
相手をまったく相手にしないと同時に、笑いに変えることで、一瞬漂った不穏な空気を一瞬で断ち切ることに成功しています。
そうすることで、自分自身の自律神経のバランスを保ち、高いパフォーマンスを発揮しているのです。
これぞ、見事な「聞き方」上手です。
普通であればヤジに対して腹を立て、衝動的に言い返してしまい、場内の空気を険悪にしてしまうことでしょう。
しかし、そこをぐっとこらえ、一枚上手の対応をしています。
こう返されたら、言った側はぐうの音も出ないでしょう。
手をパッと開いて、「聞き方」上手になる
ミュージシャンという特殊な職業の方は、もともと自律神経のバランスが非常によいのだと思います。
歌という天職を全うされているわけですから、ある意味当然かもしれません。
したがって、特に意識しなくても、「聞き方」上手になれているのだと思います。
しかし、世の中の全員が天職を見つけられるわけではありません。
組織というしがらみの中で、自律神経のバランスを乱されながら、懸命に働いている方がほとんどです。
ですが、そのような環境でも、ちょっとしたコツを押さえれば、誰でも、「聞き方」上手に変身できるのです。
たとえば会社で、理不尽な理由で怒られた時。
上司Aから指示されたことを実行したら、上司Bに怒られる……なんてことも、組織の中ではよくあることです。
しかしだからといって、あからさまに上司Aの責任だと言うわけにもいきません。
非常にフラストレーションがたまる瞬間です。
そんな時、人は無意識のうちに手をグーにして握りしめています。
特に、手を握り締めた時、親指を中に入れて強く握ると、副交感神経が下がり、緊張が高まってしまいます。
野球のバッティングやゴルフでも、親指に力を入れバットやクラブを握ると、思い通りに振れません
緊張が高まり、全身の筋肉をうまく使えなくなってしまうからです。
手を強く握ると副交感神経が下がることは、計測でも明らかになっている事実です。
ですから、誰かに何かを言われて怒りのあまり手を強く握りしめていたら、パッと開いてみてください。
そうすれば、副交感神経が低下するのを抑え、怒りをコントロールできる「聞き方」上手に変身できます。
「自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 より」
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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアでATPが十分につくれなくなる。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
ビタミンB12について?