集団生活に欠かせない「共感力」と「切り替え力」

集団生活に欠かせない「共感力」と「切り替え力」

 

前頭前野の4つの働きのうち、「ストレフリーな脳」をつくることに深く関係しているのは、「共感力」と「切り替え力」です。

この2つは、私たちが集団で生活をする場合に不可欠な能力です。

 

個人の意思や目的といったものは誰にでもありますから、その自我を通そうとすれば、必ず摩擦が起こってしまいます。

 

そうした周囲の抵抗との間で、どう折り合いをつけるかという時に、相手の心を読み取る能力と、自分の気持ちを切り替える能力が欠かせないのです。

相手の本心を正しく読み取り、それに応じて現実的に方針を修正できれば、少なくともそこそこの社会生活はできるわけです。

 

こういうと、「切り替え力」と「ストレスフリーな脳」は矛盾するのではないかと感じる人もいるかもしれません。

確かに、ストレスに動じない人というと、一般的には外部からストレスがかかっても、びくともしないたくましい人のように思われがちです。

でも、本当の「ストレスフリー」というのは、むしろ現実に柔軟に対処できることをいうのです。

 

外部からの圧力に対してびくともしないでいることができれば、もしかすると、その場は思い通りに物事が運ぶかもしれません。

でも、どこかで自分が耐えきれないまでのストレスを受けてしまい、転んだまま二度と起き上がれなくなってしまうこともないとはいえません。

 

このように考えると、物事を現実的に修正できる人のほうが最終的に自分というものを通すことができるわけですから、そういう人こそが「ストレスフリーな脳」を持つといえるわけです。

 

もっとも、柔軟に切り替えるという態度は、見方によっては優柔不断、意思が弱いと映るかもしれません。

ドーパミンがたっぷり分泌されていて、「自分の夢を最後まで貫く」という考え方の人たちからすると、そんなに方向転換されては困るといわれるかもしれません。

 

もちろん、そうした発想もまた正しいとは思います。

 

ドーパミン神経流に夢を持ち続けることと、セロトニン神経流に柔軟に切り替えるという発想は、決して相反するものではないと考えます。

 

その証拠に、「意欲」と「切り替え力」は前頭前野の別の場所で起こっており、どちらも実現することは可能なようにできています。

つまり、長い目で夢や目標を持ち続けていることと、目の前で起こっている事柄に対しては現実的に対処するということは、まったく違うものだと考えた方がよいのではないでしょうか。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。

気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。

とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。

しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

ビタミンB12について?

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