第1章 セカンドステージに必要な「仕切り直し」の覚悟

第1章 セカンドステージに必要な「仕切り直し」の覚悟

 

ファーストステージのプライドはいったん脇に置く

 

正しい謝罪は、社会生活、人間関係を円滑に送るためには必要不可欠なものですが、とくに人間関係においては重要です。

 

この謝罪も、謝意の言葉「ありがとう」とともに、正しく表すことが、円滑なコミュニケーションには欠かせません。

つまり「ごめんなさい」を素直にいえるかどうかです。

 

もちろん、決してこれも高齢者にかぎったことではありません。

 

しかし、「ごめんなさい」とひと言いえば、人間関係を損なうこともなく、狭めることもないシーンで、これができないために人間関係をこじらせてしまい、孤立を深めてしまう高齢者がいます。

とくにこの傾向が顕著なのが、自己愛の強い人です。

 

70代、80代のセカンドステージにおいて、上機嫌で充実した生き方を望むなら、「ファーストステージ」でのプライドはいったん脇に置いておくことです。

そうすれば、ごく自然に「ごめんなさい」という言葉も口をついて出てきます。

 

医者の世界にも、こういう姿勢を取れなかったがために、淋しい晩年を余儀なくされる人がいます。

たとえば、大学では医学部教授を勤めた人が、定年後、開業医になるケースです。

 

大昔なら、場所によっては、大学の教授は「先生」どころか「先生さま」と呼ばれるほどの存在でした。

そんな事情もあってか、なかには、誠実さ、謙虚さ、あるいは一般社会の常識を欠いた人も少なくありません。

いわば「井の中の蛙」です。

 

医学部教授時代の特権意識、プライドが忘れられず、開業してからも患者さんに対して横柄な姿勢で接する人がいます。

これでは、経営的に開業医が成功するはずはありません。

こういうタイプは、おそらく「ありがとう」「ごめんなさい」などという言葉はめったに口にしないのではないでしょうか。

 

一方、大学病院勤務に早々と見切りをつけ、若いうちに独立を果たした医者は、さまざまな一般社会の常識を身につけますから、患者に対して横柄な態度でいては立ち行かないことを学習します。

やがて病院経営が軌道に乗り、20年、30年後、発想の転換もないままに定年後の独立で苦戦する元教授に、経済的にも大きな差をつけてしまうのです。

苦戦を強いられた元大学教授は、そのときになってはじめて、自分が「現実を知らない井の中の蛙」であることを知らされるのです。

 

医者の世界だけではなく、あらゆるセカンドステージは単にファーストステージの延長線上にあるのではなく、「仕切り直し」になることを忘れてはなりません。

これまでどんな成功を収めたにせよ、セカンドステージにおいては「ありがとう」「ごめんなさい」にかぎらず、ファーストステージ以上に謙虚な言葉を口にできるマインドが必要です

 

しかし、脳の健康寿命の維持という観点から考えれば、こうしたマインドの醸成練習は、新しい環境への適応に脳を悩ませることになりますから有益なことです。

決して、否定的にとらえてはいけません。

「いつまでもハツラツ脳の人 より」

 

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最近、電車の中でキレる人を見かけます。

少し前までは、電車の中で暴れるのは酔っぱらいか、普段から暴力的な人と相場が決まっていました。

でも、最近は違ってきています。

しかも、普段はおとなしく、礼儀正しい人なのに、ついカッとしてキレてしまったという人がとても多いのです。

受けたストレスをコントロールすることができず、感情を爆発させ、普段では決してしないような行動をとってしまう、これがいわゆる「キレる」という状態です。

この「キレる」という行為、原因を簡単に言うと、「ストレス」です。

これはまさに「セロトニン神経」の機能低下が原因だと考えています。

 

セロトニンは脳に静かな覚醒をもたらします。

これは別の言い方をすれば「平常心」をもたらすということでもあります。

平常心を保つというのは、脳の切り換えがスムーズに行われ、どこも暴走も興奮もしていない状態のまま、スムーズに働いているということです。

セロトニン神経の機能が低下すると、感情や精神状態を普段の冷静な状態にキープすることが難しくなることは充分に推測できます。

そしてこのことは、キレる人が朝の満員電車よりも、夜の帰宅時に多いということからも証明されます。

 

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/