第1章 再就職探しに必要な心構え
超長寿時代おいては、60歳~65歳に訪れる定年も人生の到達点(=ピーク)ではないと考えなければなりません。
あくまでも通過点です。
考えてみてください。
65歳で定年を迎えたとして、90歳まで生きるとしましょう。
当たり前のことですが、あなたの定年の年に生まれた赤ちゃんが、25歳の大人になるまでの時間に相当する長い時間を生きるのです。
登山にたとえれば、到達したひとつの峰の先に、まだまだ登らなければならない峰が控えているといってもいいでしょう。
経済的事情の観点でも、それは明らかです。
現在の日本の状況を考えれば、ほんのひと握りの富裕層をのぞいて、定年後の日々が悠々自適の人などほとんどいません。
公的年金もこの先、どんどん減らされていくでしよう。
そんな時代ですから、定年後の70代、80代であっても、収入を得て少しでも豊かな暮らしを構築することが賢い生き方だといっていいでしょう。
そのためには、年齢を重ねても自立、自活できる健康寿命、健康脳寿命が求められます。
理想からいえば、定年前のキャリアと培ったスキルで、セカンドステージでも収入を得ることができればいいのですが、それも一部の政治家、高級官僚、公務員、大手民間会社の役員などにかぎられます。
そういう状況では、ほとんどの人たちは新たな職場で「初心者」「素人」として働く覚悟が必要になってくるかもしれません。
しかし、ものは考えようです。
これも新たなトライです。
発想の転換と覚悟が求められますが、それをクリアできれば、充実したセカンドステージを生きられます。
初心者、素人の自分を受け入れることはそう簡単なことではありませんし、自分のこれまでの職場とは異なる“新天地”であることは間違いありません。
こうしたシーンでも、ポジティブなトライ精神が武器になります。
「仮説が間違っていた」と受け入れる
「得意なのは部長職です」
定年後、求職に訪れたハローワークで、窓口でそう答える人がいるという話があります。
「自分に合う仕事ではない」「給料が安すぎる」「そこまで落ちぶれたくない」などと、ハローワークの担当者が勧める再就職口に難色を示したあとにそういったそうです。
キャリア、能力に対する自負はわかりますが、ハローワークでしか再就職先を見つけられなかったわけです。
その現実を認めなければならないのです。
こうした局面で必要なのは、「自分の仮説が間違っていた」と現実を受け入れる脳の柔軟性です。
部長職が得意などと真面目な顔でいう人は、こう考えがちです。
「自分の仮説は正しい、間違っているのは現実」
現実が間違っているというのであれば、現実社会では生きていけません。
何度もいいますが、仮説の検証・修正ができないのは、ヨボヨボ脳の特徴のひとつともいえます。
セカンドステージ、とりわけ再就職口探しのシーンにおいては、このスタンスを捨てないかぎり成功は望めません。
「いつまでもハツラツ脳の人 より」
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最近、電車の中でキレる人を見かけます。
少し前までは、電車の中で暴れるのは酔っぱらいか、普段から暴力的な人と相場が決まっていました。
でも、最近は違ってきています。
しかも、普段はおとなしく、礼儀正しい人なのに、ついカッとしてキレてしまったという人がとても多いのです。
受けたストレスをコントロールすることができず、感情を爆発させ、普段では決してしないような行動をとってしまう、これがいわゆる「キレる」という状態です。
この「キレる」という行為、原因を簡単に言うと、「ストレス」です。
これはまさに「セロトニン神経」の機能低下が原因だと考えています。
セロトニンは脳に静かな覚醒をもたらします。
これは別の言い方をすれば「平常心」をもたらすということでもあります。
平常心を保つというのは、脳の切り換えがスムーズに行われ、どこも暴走も興奮もしていない状態のまま、スムーズに働いているということです。
セロトニン神経の機能が低下すると、感情や精神状態を普段の冷静な状態にキープすることが難しくなることは充分に推測できます。
そしてこのことは、キレる人が朝の満員電車よりも、夜の帰宅時に多いということからも証明されます。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?