第4章 これまでの常識を見直して、自分をリセットしてみる

第4章 これまでの常識を見直して、自分をリセットしてみる

 

人生後半の離婚をタブー視する必要はまったくない

 

「おまえ100まで、わしゃ99まで」

 

昔から、ともに長生きする夫婦の姿を表すことわざです。

 

ちなみに、この「おまえ」は「おまえさま」、「わしゃ」は「わたしは」の意で、妻の側からの言葉と解釈されています。

 

最近でこそ、多くの人の結婚観に変化が生まれ、離婚を罪悪視する人は少なくなっていますが、ひと昔前までは離婚は「してはいけないもの」という考えが支配的でした。

 

多くの人は、お互いの幸福を実現できるという前提で、結婚を選択するわけですが、結婚後にその前提が崩れ、修復できなくなってしまうこともあります。

 

医療にたとえるなら、解決が難しい結婚生活の不和は虫垂炎のようなもの。

離婚という外科手術で健康体を取り戻すことも必要です。

病巣をそのままにしておけば、体調は悪化し、致命傷にもなりかねません。

 

離婚という選択肢は決して悪いことではありません。

結婚はお互いが幸せになるための手段であって、目的ではないのですから。

 

 

残りの人生を愉快に過ごすための選択肢

 

こんな話があります。

 

50年以上連れ添った夫の死後、70代後半の妻はしばらく塞ぎこんでいました。

夫婦喧嘩などしたこともない二人でした。

愛する伴侶を亡くして悲しみに耐えているのだろうと感じた息子が母親に語りかけました。

 

「悲しんでいても、親父は戻らない。元気を出して」

 

すると、母親の口から想像もしなかった言葉が返ってきました。

 

「本当に嫌いだった」

 

彼女が塞ぎこんでいたのは、愛する夫を失った悲しみのせいなどではなく、嫌いなのに50年以上も連れ添ってしまったことへの後悔によるものだったのです。

 

夫がどんな思いでいたかはわかりませんが、こんな結婚生活は、お互いの幸福どころか、両者にとって、不幸以外の何ものでもないでしょう。

 

つねに、不満、怒り、そして悲しみを抱えていながら、ぶつけ合うこともなく、表向きは平然と暮らす。

こんな毎日、それも約半世紀。

これでは、快適なコミュニケーションなど望むべくもありませんし、脳が抱えるストレスは計り知れません。

ストレスは認知症、うつの発症リスク要因です。

 

もちろん、離婚するにしても、経済面、子どもの養育、教育など、クリアしなければならない問題はあるでしょう。

 

しかし、残された10年、20年を不機嫌で過ごすか、それとも愉快に過ごすか考えてみるのもいいでしょう。

結婚生活も長ければいいというわけではありません。

問題なのは時間の長さではなく、「日々の質」です。

 

とくに親としての責任を果たし、子どもが自立したのであれば、離婚を選択肢から排除する必要はありません。

世間体など忘れて、一歩踏み出してみてもいいではありませんか。

自分次第ですが、残りの人生を愉快に過ごす可能性が生まれるのです。

脳も元気になるはずです。

「いつまでもハツラツ脳の人 より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/