第5章 脳動脈瘤発見!!そのときに重要な医者の選び方

第5章 脳動脈瘤発見!!そのときに重要な医者の選び方

 

脳ドックに関しては、メリットは多いと思います。

しかし、患者さんたちに「ぜひ受けたほうがいいですよ」と積極的に勧めることはしていません。

 

通常、脳ドックではMRIによる画像検査を行い、脳動脈瘤など異常がないかを検査します。

 

異常が見つかればカテーテルなどを使用して予防措置がとられますから、クモ膜下出血などの脳血管障害の予防に一定の効果をもたらすことは間違いありません。クモ膜下出血は死亡率が40%前後と高く、70代以降では50%以上に達するという見方もあります。

 

ただし、検査の実施については留意点があります。

それは「脳ドックは評判のいい医療施設で受ける」ということです。

カテーテルの挿入には高い技術が求められ、くも膜下出血などの脳血管障害を早めに発見するためには、正直にいって「運よくカテーテルのうまい医師に当たること」が必要なのです。

 

健康診断やがんの検査では、しばしば「早期発見」が錦の御旗のようになっていますが、少なくとも脳ドックでは「早期発見」のメリットはほとんど期待できない、と考えたほうがいと思います。

 

認知症の予防のために脳ドックを利用する人もいますが、早期に認知症を発見したところで、大きな効果が得られるような医療的な措置はほとんど期待できません。

アルツハイマー認知症では「アリセプト」などの薬が処方されますが、実際のところは「効果はない、とはいえない」レベルです。

 

 

記憶力低下は「覚えようとしない」も原因

 

認知症を疑う大半のきっかけは記憶力の低下にあります。

 

「人の名前が思い出せない」「昨日の夕食のメニューが出てこない」

 

などと症状はさまざまで、「メニューを思い出せないのは問題ではないが、食べたこと自体を忘れるのは兆候かもしれない」という指摘もあり、加齢によって記憶力が低下するのが当然視されるケースも多くなっています

 

しかし、記憶力が年齢とともに落ちることは決して当たり前のことではありません。

事実、認知症のない人は、脳の機能だけに限定すると記憶する力は75歳くらいまで低下しないことが明らかになっています。

では、なぜ一般的に年齢を重ねると物忘れが多くなり、物覚えが悪くなるのでしょうか?

 

それは「覚えようとする意欲」が低下していることに他なりません。

60代と80代では単純に考えると20年の差しかありませんが、この20年で認知症が12倍という圧倒的なスピードで増加します。

 

その原因は前頭葉などの脳の組織の老化もあるのですが、じつはそれ以上に、脳を使おうとする意欲の減退が記憶力を低下させているのです

 

ハツラツ脳の人は“現役感”が強く、折に触れて「覚えよう」という気持ちにスイッチが入ります。

たとえば、テレビ番組で自分の趣味に関係する店の情報が流れると、瞬時に記憶モードに入り、メモを取ったりします。

一方、ヨボヨボ脳の人は「覚える意欲」がないのですから、情報をスルーするだけです。

 

鍛えられることのない記憶力はこうして衰えていくのです。

「いつまでもハツラツ脳の人 より」

 

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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。

脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。

40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。

脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。

死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。

しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。

 

物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

なお、レシチンアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。

アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/