第3章 安い肉を味わう
第3章 安い肉を味わう
中性脂肪の原因は、肉の脂ではない
卵の話をすると、「コレステロールが……」という人がいるのと同様に、「肉を食べなさい」というと、「脂が……」という人がいます。
しかし、健康を害すほどの脂質を肉から摂ることは、まず不可能です。
それほど大量の肉を食べることはできないからです。
それに、お腹につく中性脂肪は肉の脂が原因ではなく、余分な糖質が蓄えられるときに変化した脂肪が原因です。
正しい知識を身につけることが肝心です。
鶏胸肉のいい成分に注目
近年、鶏の胸肉が注目されています。
胸肉に含まれる、アミノ酸が結合した「イミダゾールペプチド」という成分に、脳の疲労を取る効果があると報告されたからです。
イミダゾールペプチドには抗酸化作用があり、血管の健康にもいい効果が期待できます。
脂肪が少ないので、どうしても動物性の脂質が気になる、という人も安心です。
値段が安いのもうれしいですね。
胸肉を買ってきて茹でておけば、チキンサラダを気軽に楽しむことができます。
鶏肉もいいのですが、安い豚肉、牛肉を推奨しています。
それは硬くて噛み応えがあるからです。
しっかりと何度も噛んでいるうちにだ液も出て、顎の筋肉も鍛えることができます。
逆に高い牛肉は柔らかすぎてよくありません。
「血管が強くなる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?