時にはほかの病が隠れていることも
脳の老化は自然な現象でもあり、年を取れば自制心が緩むこともあって、誰でも多少怒りっぽくなったり、感情的になることはあります。
ところが怒りや思い込み、イライラや落ち込みなど、普通の老化現象に見えて、実は別の病が潜んでいる場合があるのです。
一番多いのは、やはり患者数の多い「うつ病」なかでも「老人性うつ病」です。
うつ病というと、時々興奮して怒ったり、攻撃的になることもあります。
いつもは温厚な性格で誰にでも親切な人が、急に口数が少なく暗い表情になったり、「自分なんていなくなったほうがいいんだ」などと悲観的なことをいったり、そういう場合は「これはただの老化とは思えない」と、家族が気づいて病院に連れて行くというパターンがほとんどです。
なにしろ、本人には自覚がないことが多いので、周囲のサポートが必要なのですが、ひとり暮らしのシニアも増えているため、治療が遅れることもしばしばです。
今ではおよそ600万人もの人がうつ病を発症しているか、うつを抱えているという推計もあり、高齢者の患者数も年々増加しています。
なかには「血管性うつ病」という病もあります。
血管性うつ病は、脳出血や脳梗塞の病後に起こりやすいのですが、何種類もの薬を常用している人にも発症する可能性がありますので要注意です。
もし40歳を過ぎて言動が急変した場合、感情の老化以外にうつの可能性も疑ってみたほうがいいでしょう。
感情の老化と「うつ」とは違うものですが、一部似た部分もあります。
そこで、「うつ」を疑ったほうがいい症状をあげておきますので、チェックしてみてください。
・食欲がなくなり、何を食べてもおいしく感じない
・映画やテレビなど、以前面白いと思ったものもおもしろくない
・本を読んでも集中できず、気が散る
・何をしてもすぐに疲れてしまう
・夜中に何度も目が覚めたり、明け方に目が覚めて寝られない
・朝から疲れていて、何をする気にもなれない
以上が典型的なうつ傾向ですが、本人は自分がうつ病だと自覚していない場合がほとんどなので、まずはよく話を聞いてから、専門家のサポートを求めるようにしましょう。
「感情の老化を防ぐ本 より」
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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?
顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。
それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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