【のう(脳)】認知症は生活習慣病のひとつ予防策の中心はなにより食事術
ぼくも最近は、人の名前が思い出せないことや、会話で「あれ、それ」という言葉が増えました。
脳のおとろえ、とりわけ認知症は、他人事ではありません。
誤解している人も多いのですが、認知症は突然発症する病気ではなく、糖尿病などと同じ生活習慣病のひとつ。
習慣を変えることで、認知機能のおとろえを食い止めることは十分可能です。
実際、認知症の前段階として訪れるMCI(軽度認知障害)の段階で適切に対応すれば、正常な脳に戻れる可能性が十分にあることもわかっています。
そして、その中心はやはり「食事」です。
DHAが豊富な青魚、脳の神経伝達をサポートするオメガ3脂肪酸を含むナッツ類などの「ブレインフード」を、日々の食材にプラスしてみましょう。
また、野菜や果物に含まれるポリフェノールは脳の酸化を防ぎます。
ぼくは毎日350gの野菜を食べようと言っていますが、とくに野菜ジュースは手軽です。
ごはん、麺類など炭水化物(糖質)を最後に食べる「カーポラスト」だけで血糖値の上昇がおだやかになり、脳の慢性炎症の予防効果が期待できます。
毎日の食事を見直し、ぼくと一緒に「認知症にならない人生」を歩みましょう。
【のう(脳)】の長生き3大原則
1 「ブレインフード」で脳に栄養を届ける
2 野菜は1日350g手軽なのは野菜ジュース
3 糖質を最後に食べる「カーボラスト」
ブレインフードと呼ばれる脳を活性化させる食材や、ポリフェノールが多い緑黄色野菜のジュースも脳活に有効です。
血糖値を上げない、食事の「食べ順」も意識しましょう。
毎日の積み重ねが認知症を遠ざけます。
まだ間に合う!認知症チェック
□同じことを何度も質問してしまう
□人の名前が思い出せない
□外出するのがおっくう
□服装にかまわなくなった
□財布や鍵などがよく見つからない
2つ以上当てはまったら、認知症前段階のMCI(軽度認知障害)の可能性があります。
何度も同じことを聞いてしまう、人の名前がパッと思い出せないなどの兆候があったら要注意。
また、人とのかかわり合いを持たないことも認知機能をおとろえさせます。
「鎌田式 長生き食事術 より」
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンをアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
アルツハイマー型認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
ビタミンB12について?