【けつ(血液)】人は血管から老いていく 薬より、まずは食習慣の改善を
アメリカの医学博士ウィリアム・オスラーが「人は血管から老いる」という言葉を残していますが、まさにそのとおり。
若々しい血管が長生きの秘訣です。
そこで、血管の老化度が簡単に計れる数式を紹介しましょう。
この数式に自分の血圧を当てはめて、100を超えたら血管の老いの兆候。
動脈硬化が始まっている可能性あり。
ただし、中高年以上の方は、最高血圧と最低血圧が150-90の間であれば、薬は使わずに生活習慣の改善を目指しましょう。
食事でまず工夫すべきなのが減塩。
塩分のとりすぎは血圧を高め、血管の老化に拍車をかけます。
ここではお酢や牛乳を使った簡単でおもしろい減塩法も紹介するので、ぜひ試してほしいです。
また野菜や海藻をたくさんとることもポイント。
ほうれん草や小松菜、海藻類には塩分を排出するカリウムが豊富に含まれています。
カリウムは血圧を正常に保つミネラルなので、ぜひ毎日とりたいですね。
さらに、抗酸化作用や抗炎症作用が期待できるしょうがやスパイス類を活用するのも手。
ぼくは減塩しょうゆを使うなど、調味料にも工夫をしています。
【けつ(血管)】の長生き3大原則
1 酢や牛乳で「減塩」にひと工夫
2 野菜、海藻をしっかり食べ血圧を安定させる
3 抗酸化作用のある食べ物をプラスする
1日の塩分摂取の目安量は、男性7.5g、女性6.5g未満。
高血圧の人は男女とも6g未満です。
でも実際には、男性11g、女性9g程度という厚生労働省のデータがあります。
いつもの食事では、塩分過多の可能性大!
まだ間に合う!動脈硬化チェック
□階段を上がると胸がしめつけられることがある
□手足が冷たくなったり、しびれたりする
□冷え、むくみ、肩こりなどプチ不調がある
□血圧や血糖値の値が高め
□濃い味つけが好き
2つ以上当てはまったら、動脈硬化が始まっている可能性あり。
血管は全身にはりめぐらされていて、血管障害により胸や手足に異常を感じることも。
冷えや肩のこりも、毛細血管の不調なので注意が必要です。
「鎌田式 長生き食事術 より」
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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?
顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。
それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?