第1章 少し工夫して、楽しく、がんばらない!「長生き食事術」11の秘策!
<秘策1>筋肉を増やす朝たん生活 みそ玉革命
ここに効果的!→きん(筋肉)ちょう(腸)
一度に体に吸収できるたんぱく質の量は限られています。
だから、やみくもにたんぱく質をとっても、邪魔なものとして体の外に排出されてしまいます。
大切なのは、3食の中でバランスよくたんぱく質をとること
とりわけ重要なのが、朝のたんぱく質、略して“朝たん”です。
高齢女性を対象とした調査*では、夕食よりも朝食にたんぱく質を多くとった人のほうが、骨格筋指数や握力が高いという報告があり、これには体内時計がかかわっていると考えられています。
だから、朝食抜きというのが一番いけません。
*長崎大学と早稲田大学を中心とする研究グループによる調査報告
ところが、日本人の3食のたんぱく量の割合は、若者から大人まで、夕食がもっとも高く、朝食はその半分程度。
この朝と夜のたんぱく量の割合を逆にするだけで、効率よく筋肉をつけ、フレイル予防につなげることができます。
朝たんの最強の味方は、やっぱりみそ汁。
ぜひ「みそ玉」を活用してください。
たん活に効くサバ缶やチーズ、野菜を入れて具だくさんのみそ玉にするのがポイント。
毎朝お湯を注ぐだけでみそ汁が完成。
このみそ玉を、とにかくいそがしい朝の食事な革命を起こす秘策だと思っています。
たんぱく質だけでなく、朝食の量を全体的に増やして、朝食・昼食・夕食のバランスは4:4:2が理想的。
あるテレビ番組で、「朝たん生活」と言ったら、出演者の方からすごく好評でした。
これからは、全国に“朝たん”を伝えていきたいと思っています。
長生き“朝たん”術 「みそ玉」で作る「たんぱくみそ汁」
たんぱく質量10gアップ!
↓
・サバ缶
・チーズ
・ほうれん草
・大豆
・オクラ
・ほうれん草
など……
冷凍したみそ玉をお湯で溶くだけ!
分量の目安(2人分)
みそ…16g(大さじ1弱)
減塩顆粒だしの素…2.4g(小さじ1弱)
お好みの野菜…適量(そのまま食べられる冷凍野菜や乾燥野菜を活用してもOK)
お好みのたんぱく質…適量
「みそ玉」は、みそと顆粒だしを好みの具材と一緒にまぜて、1食分ずつラップ(具だくさん、ざっくり丸めてラップ)で冷凍しておくだけ。
サバ缶やチーズ、大豆などを入れれば、1食で20~15gもたんぱく質をとれます。
ほかにも、ごはんに蒸し大豆をまぜたり、しらす干しをのせたり、朝のひと工夫でフレイル知らずの元気な体に!
「鎌田式 長生き食事術 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
血管はアミノ酸、たんぱく質とコレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?