消化器の病気④(慢性肝炎、肝硬変)にはこんな栄養成分が必要

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消化器の病気④(慢性肝炎、肝硬変)にはこんな栄養成分が必要
 
≪慢性肝炎≫
 
B型、あるいはC型の急性肝炎が、発症後6か月以上たっても治らずに、炎症が続いている場合を慢性肝炎といいます。
近年、自覚症状も障害もないまま、急性肝炎を経ずに慢性肝炎を発症したという患者がふえているようです。
慢性肝炎をおこしても、多少の倦怠感を感じる程度で、急激な悪化がないかぎり、黄疸などの症状はみられません。
だからといって放置しておくと肝硬変に進行することもあるので要注意です。
 
治療としては、急性肝炎同様、安静と各種栄養素のバランスのよい摂取が必要です。
 
●慢性肝炎に効く栄養成分
タンパク質 ビタミンC・P・E コリン パントテン酸 ビタミンB1・B2・B6・B12 β-カロテン 亜鉛 セレン タウリン グルタチオン
 
健康な人と同じように適正なエネルギー摂取が必要です。
また、破壊された肝細胞の再生修復のために、良質のタンパク質を補給します。
さらにビタミン、ミネラル類が充分とれるようにします。
特に緑黄色野菜は欠かさないようにしましょう。
 
食欲がなく、腹痛などの消化器症状が出ることもあるので、食べやすく、消化のよい食品と調理法を選びます。
アルコール飲酒は避けます。
 
≪肝硬変≫
 
肝細胞が壊れて組織化し、それが増殖してかたくなり、肝臓が正常にはたらかなくなる病気です。
原因は肝炎ウイルスによるものがほとんどで、C型ウイルスが最も多く、B型がこれに次ぎ、アルコール性のものは全体の約10%といわれます。
 
肝硬変になっても、初期の段階では組織化していない部分が懸命にはたらくので、顕著な症状はみられません。
この状態を代償性肝硬変といいます。
むくみ、腹水、黄疸、肝性脳症などの症状が出はじめると、充分にはたらけなくなっている状態で、非代償性肝硬変と呼ばれます。
 
治療では、いかに悪化を防ぐかが中心となります。
安静と食事療法が基本で、できるだけ代償性の状態を保ち、普通の生活ができるようにすることが目的です。
 
●肝硬変に効く栄養成分
グルタチオン グリチルリチン酸 ビフィズス菌 ビタミン・ミネラル類 食物繊維
 
代償性肝硬変の場合は、肥満がないかぎり、高エネルギー食をとります。
糖質で充分にエネルギーを補給します。
また、タンパク質、ビタミン・ミネラル類、食物繊維の補給は不可欠で、緑黄色野菜の摂取が重要です。
むくみや腹水の予防のため、塩分は7g以下に制限します。
 
非代償性肝硬変の場合は、血液中のアンモニアを低下させなければならないので、タンパク質は制限し、便秘にならないように食物繊維をとるようにします。
また脂肪の分解力も落ちるので、油も制限します。
塩分は7g以下とし、エネルギーは砂糖などの糖質で補給することになります。
「からだに効く栄養成分バイブル より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。

現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。

ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。

ビタミンB12について