脳トレーニング/○カラオケで認知症を防ぐ ○回想体験をする

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脳トレーニング/○カラオケで認知症を防ぐ ○回想体験をする
 
○カラオケで認知症を防ぐ
院内にあるカラオケ教室や、年に2回の「健康まつり」で歌っている患者さんの様子を観察すると、高齢の方が多いのですが、いずれも年齢を感じさせない声量で、実に元気に歌っておられます。
そして、たくさんの患者さんが「先生、とても元気になりました」と報告してくれます。
 
カラオケを利用した健康法の効果は、検査データにもはっきりと現われています。
ひとつ症例をあげてみましょう。
原因不明の本態性高血圧の患者さん(66歳、男性)は、以前は最大血圧が200mmHgまで上ることもありましたが、カラオケをやるようになって数ヵ月経つと、140mmHgくらいまで下がり、それ以後も安定しています。
 
この患者さんが来院した当初は、降圧剤などで対応していました。
たしかに血圧は下がるのですが、それは一時的で、やめると再び上昇してしまいます。
そのため、また降圧剤を使うというくり返しでした。
 
それが、カラオケをはじめてしばらくすると、降圧剤で下がった血圧が薬をやめても上昇しなくなり、ついに降圧剤を止めることができました。
 
高血圧が続くと、認知症になる可能性が高まります。
高血圧を改善することは認知症の予防にも欠かせないのです。
 
横浜労災病院では認知症患者さんにカラオケを導入したところ「忘れ度が、かなり少なくなった」と報告されています。
クリニックでも物忘れが少なくなったという声をよく聞きます。
 
○回想体験をする
 ケアの一貫としてカラオケを楽しむ時間が組まれている介護施設がよくあります。
高齢の方ほど懐メロや童謡を好む傾向があるようです。
認知症の方でもみんなの歌を聴いたり、いっしよに歌っているうちに顔が紅潮してイキイキしてくるといいます。
 
 懐かしい歌とともに楽しかった青春時代や密かな恋心が甦ってきて脳が刺激されるのだと思われます。
心理学的にも回想体験の効果が指摘されていますし、認知症の予防としてもいいでしょう。
 
 回想体験は歌ばかりで起こるわけではありません。
昔の写真や日記、子供ころに制作した絵や作文、大好きだったお人形、大切に仕舞っておいた衣服など、回想のきっかけを与えてくれるものはたくさんあります。
 
 楽しい記憶だけでなく悲しい記憶、辛かった記憶もあるでしょうが、時間が経つと浄化されていくものです。
それに、楽しい仲間と一緒なら、あんなことがあった、こんなこともあったと楽しい回想が次々と湧いてきます。
ときには、同窓会に参加したり、心の知れた仲間と会ったりして楽しく昔話に盛り上がるのもいいと思います。
60歳からはじめる認知症にならない超簡単脳にいいこと より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。
 
京都大学医学部老年科の亀山教授によると、健康な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳では、含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで、低下していたと報告しています。

ビタミンB12は、レバーなどの動物性食品に多く含まれ、植物性食品にはほとんど含まれていませんが、例外的に味噌や納豆のような発酵食品に含まれます。

ビタミンB12は、水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造をもっています。
脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、脂肪成分による汚れで詰まった部分を洗い流すことにより、復元し、また、切れた部分があれば、修復作用を発揮します。

ビタミンB12は、核酸とタンパク質の合成に関わり、脳や神経系との関わりが深く、また、ビタミンB6葉酸とともに動脈硬化の原因となるホモシステインを減らす働きがあります。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
 
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