急増するアルツハイマー病

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急増するアルツハイマー
 
多くの人は長生きを望みます。
しかし、長生きすればするほどアルツハイマー病を発症するリスクも高まります。
米国アルツハイマー病協会は、同国内におけるアルツハイマー病の患者数は、1975年の50万人、2005年の450万人、2007年の510万人と爆発的に増えていること、2050年には1100万~1600万人になるとの見込みを発表しました。
 
わが国では、2008年現在、アルツハイマー病の患者数は140万人と推計されていますが、高齢化が進むにつれ、患者数が急増することが確実と思われます。
 
アルツハイマー病患者は物忘れが激しいことや、徘徊することで知られますが、それだけでは済みません。
高速道路を逆送したり、介護する家族に暴力を振るうことも多く、人身事故や事件につながることも少なくありません。
 
この事態を重く見たアメリカ政府は、アルツハイマー病の予防と治療のための研究に、2005年に910億ドル(91000億円)もの資金を投入しています。
 
アルツハイマー病の発症の引き金は、およそ40個のアミノ酸からなるβ-アミロイドという小型タンパク質が、脳内に蓄積することだとされています。
このβ-アミロイドの蓄積は、ほとんどの人で40歳前後からはじまり、老化とともに加速するようです。
 
加齢によってβ-アミロイドが蓄積するとして、では、なぜ、その蓄積が特定の人に早くあらわれるのでしょう。
それは、その人がアルツハイマー病の危険因子を持っているからです。
 
≪危険因子、その一 過剰なエネルギー摂取≫
 
アルツハイマー病の危険因子が解明されつつあります。
危険因子、その一は、糖尿病です。
九州大学医学部の清原裕教授のグループが 福岡県糟屋郡久山町 で、65歳以上の住民800人を対象に血糖値と認知症アルツハイマー病との関係を調べたところ、糖尿病とその予備軍は、そうでない人に比べてアルツハイマー病になるリスクが4.6倍も高くなっていました。
 
その一方、2008420日の厚生省の発表によると、2006年度わが国の糖尿病とその予備軍は1870万人と推定され、2002年に行われた前回調査にくらべ、250万人も増えていることが判明しました。
 
エネルギーの過剰摂取による肥満が引き金となって、インスリンの効かない糖尿病が発生し、やがてアルツハイマー病を発症させるようです。
 
では、糖尿病とアルツハイマー病には、どんな関係があるのでしょう。
これを解明したのが、ソーク研究所のデービッド・シューベルト博士のグループです。
糖尿病にかかった若いネズミの脳を解剖したところ、血管が高血糖によってダメージを受けていただけでなく、低レベルではありますがβ-アミロイドが蓄積していたことを発見したのです。
 
40歳以上のほとんどの人でごく少量のβ-アミロイドが血液中を流れているのですが、糖尿病にかかると、高血糖とβ-アミロイドの蓄積が相乗的にはたらくようです。
 
≪危険因子、その二 ヘビードリンキングとヘビースモーキング≫
 
危険因子その二は、ヘビードリンキングとヘビースモーキングです。
ビードリンキングとは、12杯以上を飲むこと。
そしてヘビースモーキングとは、11箱以上のタバコを吸うことを指します。
 
フロリダ州にあるマウントシナイ病院のランジャン・ドウアラ博士は、60歳以上でアルツハイマー病の938人を対象に調査して明らかとなった結果を、2008年シカゴで開催されたアメリカ神経学学会で発表しました。
その内容は以下の通りです。
 
ビードリンカーは、そうでない人にくらべ、アルツハイマー病が48年早く発症する。
ヘビースモーカーは、そうでない人にくらべ、アルツハイマー病が23年早く発症する。
そして、ヘビードリンキングかつヘビースモーキングだと、発症が67年ほど早まる。
「食べ物を変えれば脳が変わる より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
 
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
 
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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