腸が元気になれば脳も元気に

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腸が元気になれば脳も元気に
 
腸の影響力の大きさについて、便秘と病気のかかわりからさらに踏み込んでいきましょう。
 
実は、50代まで便秘は女性に多いのですが、60代になると男性にも増えていき、ここに様々な病気が関わってきます。
 
たとえば、脳内の黒質という部分の神経細胞が減ることで発症するパーキンソン病では、手足の震えや筋肉の硬直といった運動障害のほかに、便秘のような自律神経に関わる症状が現れることもわかっています。
 
うつ病にしても、患者さんの約半数に便秘傾向があるといわれています。
うつ病のような精神疾患の場合、薬を服用するとさらに便秘がひどくなり、腸のむくみも進んでしまいますから、薬に頼るだけでは治りません。
すると、腸を元気にすることがメンタルを改善していくカギであることが見えてくるでしょう。
 
うつ病まで行かなくても、食生活の乱れによって腸内環境が悪化すれば、血流は停滞し、必ず腸はむくんでいきます。
むくんでいることと便秘がひどくなることは、体全体で見れば、ほとんど同じ現象だといえるのです。
 
また、病気と便秘の関係でいえば、糖尿病になった人のほぼ100パーセントが便秘に悩まされるようになります。
生活習慣病メタボリックシンドローム……これらも腸のむくみと決して無縁ではありません。
 
これに加えて注目したいのは、腸と免疫との関わりです。
腸内環境を整えることは免疫力の強化にもつながりますから、便秘体質を改善し、腸を元気にしておくことは、病気の悪化を食い止めることにもつながります。
 
脳を元気にし、うつなどメンタルの低下を予防したりすることはもちろん、腸は心身の健康のあらゆる局面に影響を及ぼしているのです。
腸という器官の影響の大きさをもう少し見直してもいいのではないでしょうか?
 
私たち現代人は、働過ぎ、頑張りすぎであることに加え、余計なことに少々頭を使い過ぎています。
 
頭の使い過ぎは脳をむくませ、自律神経のバランスを不安定にし、それは腸のむくみにも影響しますが、腸脳循環をふまえた場合、「腸→自律神経→脳」という逆のアプローチで改善していくことも可能なのです。
 
些細なことで思い悩んでしまう人は、悩みモードに入りそうになったら、ゆっくり呼吸をし、まずは副交感神経を優位にすることを心がけてください。
 
呼吸をすることで肺が動くと、横隔膜が刺激され、腸の蠕動もうながされます。
ゆっくり呼吸することで腸が動き始め、その影響は自律神経を介し、脳にも及んでいきます
腸が元気になれば、脳も元気になるのです。
「人生を決めるのは脳が1割、腸が9割! より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は協力して働いているため、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
また、現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。 
 
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