
脳を元気にする腸内細菌の秘密
腸と脳のつながりに関して、近年、働く人たちの間で急増している「過敏性腸症候群」という病気が注目されています。
過敏性腸症候群は、ストレスによって引き起こされる便秘、下痢、腹痛などの症状を指し、1下痢型、2便秘型、3下痢と便秘を交互に繰り返す交替型、これらに分けられますし、メンタルが絡んでいるため、その発症パターンは少々複雑です。
たとえば便秘の場合、ストレス過多で交感神経が優位となることで起こりやすくなりますが、3に該当する人は、その状態で急に副交感神経が働き出すと下痢に見舞われ、やがて便秘と下痢を繰り返すようになります。
また、1と2の場合でも、プレッシャーのかかる場面で急に腹痛になり、下痢に襲われたり、便の出が悪くなったり、当人にとっては苦痛以外の何ものでもないでしょう。
とりわけ、1の下痢型については、通勤電車のなかで腹痛を起こし、途中下車して駅のトイレに駆け込んだり、大事な商談中に激しい便意を催し中座せざるをえなかったりと、仕事に支障が出るケースも珍しくありません。
こうした過敏性腸症候群は、脳のストレスが腸のトラブルとなって現われる病気と考えられてきましたが、最近の研究では、腸が脳に影響を与えている可能性が示唆されています。
その一つが、腸内細菌と脳の関わりです。
たとえば、カナダのマックマスター大学のステファン・コリンズ教授が、暗い部屋でも光を求めて動き回る「行動的なマウス」と、ほとんど動こうとしない「臆病なマウス」の腸内細菌を互いに移し替える実験を行ったところ、両者の行動が逆転し、まったく性格が入れ替わってしまうことが明らかになりました。
腸内細菌のバランスは、脳機能を高める神経成長因子(NGF)という物質の濃度に影響を与えるといわれていますから、アクティブなマウスは臆病なマウスより腸内環境が整っていたのかもしれません。
つまり、菌を移植したことで臆病なマウスの腸内環境が改善され、脳機能が活性化し、アクティブな状態に変化したと考えられるのです。
実際、アクティブに変化したマウスの脳を調べると、神経細胞の成長をうながすタンパク質のレベルが上がっていたという結果も出ています。
これもNGFが作用した結果かもしれませんが、注目しなければならないのは、「脳の変化に腸内環境が関わっているかもしれない」という点でしょう。
腸の不調がストレスを生み、心にも影響を及ぼすことは、「腸心理症候群」と呼ばれています。
わかりやすくいえば、お腹が弱い人はメンタルでも不安を抱えやすいのです。
メンタルの影響でお腹がトラブルを起こすこともありますが、腸の機能が低下し、むくむことで、メンタルが脅かされることもあるのです。
「人生を決めるのは脳が1割、腸が9割! より」
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それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
一般にビタミンB群は協力して働いているため、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
また、現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
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