下剤よりもおすすめの薬とは

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下剤よりもおすすめの薬とは
 
便秘外来を開設して20年近くになりますが、受診する患者さんは、長年にわたって強度の便秘に苦しんできた人たちばかりです。
 
通常、医療機関で診察を受けると下剤がすすめられるケースがほとんどですが、基本的に下剤は処方しません。
下剤に頼って溜まった便が排泄できたとしても、一時的なものに過ぎないからです。
 
便秘の人は、間違いなく腸の蠕動運動が低下してしまっています。
 
腸の蠕動は副交感神経が優位なときに活発になりますから、日常生活でリラックスできない交感神経の優位な状態が続けば、便秘になるのは当然のこと。
食べたものより、生活のリズムや精神的なことのほうが便秘の要因になりやすいのです。
 
問題は自律神経のバランスを整え、「むくみ腸」を改善することにあるわけですが、強度の便秘に悩まされている人は、「このつらさから一刻も早く逃れたい!」と、必死の思いでやってきます。
 
しかし、そうした人の強力な助っ人となるのは、下剤ではなく整腸剤です。
 
整腸剤は、乳酸菌のように腸に有用な菌を摂取できる薬で、いわゆる善玉菌を腸に送り込むという点ではヨーグルトと変わりません。
ただ、医薬品として認可されているように、その効き目はまったく違います。
 
「いろいろなことを試したのに便秘がいっこうに治らない」という人は、腸内環境を整えることがうまくできていません。
それを短い期間で改善してくれる秘密兵器が整腸剤だとイメージしたらいいでしょう。
 
要するに、腸内細菌もバランスが大事なのです。
便秘がひどいという人に限らず、心身のむくみを感じている人には、腐敗を引き起こす悪玉菌が増え、そのぶん善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌)の割合が減少しています。
 
腸内細菌は食べ物の消化を助けてくれる役割がありますが、とりわけ優れた働きを見せてくれるのがビフィズス菌や乳酸菌だと考えてください。
そのため、これらの菌の割合が減れば摂取した栄養素が十分に消化吸収されなくなりますから、しっかり食べていても低栄養状態に陥り、腸の蠕動運動もますます低下してしまいます。
 
また、腸のなかには十分に消化しきれなかった栄養素が残り、長くとどまることで腐敗が進みます。
要は、この腐敗を起こす菌が悪玉菌なのです。
 
腐敗した栄養素は毒素を出し、血液を汚すことで、むくみの要因にもなります。
こうしてめぐりめぐって、結局は「むくみ腸」の問題につながっていくのです。
 
便秘がそこまでひどくないという人は、「六の法則」を実践するだけで腸のむくみは十分改善されていきますが、仕事が重なってハードな毎日が続いているときなどは、整腸剤を使って腸内細菌を助けてやるのも一つの方法です。
 
整腸剤を、下痢と同じようにその場しのぎで使うのではなく、腸のむくみを取り、自律神経の働きを回復するために使うのです。
 
ただ、リズムを取り戻すことができれば、こうした秘密兵器に頼る必要もなくなっていきます。
あくまでも急場しのぎの一策として考えるといいでしょう。
 
※食べたものは約6時間で小腸の末端に達し、消化吸収されていきますから、体のリズムを考えた場合、たとえば午前8時に朝食、午後2時に昼食、午後8時に夕食と、それぞれ6時間ごとに摂るようにするのがベストです。
昼食を午後2時に摂るのが難しい場合、朝食を午前6時にすれば、昼食が正午、夕食が午後6時というサイクルに調整できます。
いずれにせよ、朝食・昼食・夕食を6時間ごとに食べる――この「六の法則」が腸のむくみを防ぐ最大の秘訣といっても過言ではありません。
「人生を決めるのは脳が1割、腸が9割! より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は協力して働いているため、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
また、現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。 
 
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