「一過性脳虚血発作(TIA)」の後に起こること

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「一過性脳虚血発作(TIA)」の後に起こること
 
 「一過性」のTIAでは、たまたま運が良く、その血栓が流れました。
 
では、「もう安心か?」といえば、まったくそんなことはありません。
むしろ、次にはもっと大きな「脳梗塞」がやってくる前兆と考える必要があります。
しかも、それは、TIAの直後にやってくることが多いのです。
 
その恐ろしさをイメージしてみましょう。
 
TIAを起こす人は、頸動脈に原因があることが多い。
頸動脈は頭蓋骨の入り口にある太い動脈です。
この血管壁に「粥腫」(アテローム)ができます。
“粥状(じゅくじょう)の小さな山”のようなものが、血管の内側に向かってふくれた状態です。
 
 その小さな山の一部が破れて、血栓ができた。
そしてこの血栓の一部がはがれて流れ、脳のどこかの動脈を詰まらせてしまった。
これがTIAです。
 
 幸運にも、詰まった血栓は、砕けて流れ去り、あるいは溶けて消えてしまったため、血流が再開し、「脳梗塞」は一過性で済んだわけです。
 
 しかし、もともとの原因をつくった頚動脈には、「粥状の小さな山」が残っています。
 
 最初は小さな傷口だったので、それを塞いだ血栓も小さかった。
しかし、この傷口は、放っておくと、もっとひどくなります。
小さな山がもっと大きくなり、傷口が拡がれば、もっと大きな血栓ができ、それが太い動脈を塞いでしまう……。
 
 なんとも恐ろしいと思いませんか?
 
 火山にたとえるなら、最初に小さな噴火があり、最後は大噴火が起こるようなもの。
 
 TIAを、脳梗塞の“究極の前兆”というのには、こんな理由があるからです。
もし、TIAの段階で処置すれば、大噴火は起こらなかったかもしれないのです。
 
実際に、TIAを起こした人の2~3割の人が、その後「脳梗塞」を発症しています。
また、脳梗塞を起こしたひとに話を聞くと、やはり2~3割の人が「実はTIAもがあった」と答えているのです。
脳卒中にならない、負けない生き方 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
 
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