3.脳卒中、心臓病-脳卒中から歯周病まで、多種多様な「気象病」がある

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3.脳卒中、心臓病-脳卒中から歯周病まで、多種多様な「気象病」がある
 
脳卒中とは、脳の血管が詰まって起こる脳梗塞や、脳の血管が切れて起こる脳出血など、突然発症する脳血管の病気をさします。
心臓病にはさまざまなものがありますが、気象の影響を受けるのは、主に心筋梗塞狭心症などの虚血性心疾患です。
 
これら脳卒中や虚血性心疾患は、寒い季節に多いことで知られています。
特に、風呂場やトイレが寒くて急激に身体が冷えることが危ないことは、ご存知の方も多いでしょう。
 
急激な気温低下がなぜ脳卒中や心臓病を引き起こすかというと、動脈硬化が関わっています。
急に気温が下がると、私たちの身体は体温が外に逃げないように末梢の血管を収縮させるため、血圧が上がります。
このとき、血管に弾力性があれば問題ないのですが、血管が固くなっていると血圧をうまく調節することができず、血圧が一気に上がって脳卒中や心臓病を引き起こしてしまうのです。
 
ただし、動脈硬化や高血圧がない人でも、急激に気温が低下すると血液の粘度が上がるという報告もあります。
血液の粘度が高いと、血管が収縮したときに詰まる危険性がありますから、注意が必要です。
 
4.喘息
 
 喘息は、気管支などの粘膜にリンパ球や好酸球といった白血球が集まって、慢性的に炎症が起こった状態です。
そのため、ちょっとした刺激で気管支がむくみ、周囲の筋肉が収縮して、喘息や激しい咳、呼吸困難などの発作が起きます。
子どもの喘息は、ダニ、ハウスダスト、花粉、食物などのアレルギーのことがほとんどですが、大人の喘息は、原因がはっきりしない場合や、運動、喫煙、ストレス、大気汚染、風邪などが原因のこともあります。
 
 いずれにしても喘息を発症していると、気象の変化で発作が起こることがあります。
たとえば、空気を吸ったときの圧力は、イコール大気圧です。
したがって、気圧が変わると気道内部の空気圧も変わり、それが刺激になって発作を誘発することがあります。
 
 また、喘息の発作は、気温の下がった日の朝3時から5時にかけてが多いとされています。
この時間帯は、自律神経が副交感神経優位から交感神経優位に切り替わるタイミングであり、その上に気温の低下が加わると、大きな刺激となってしまうのです。
「天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法 より」
 
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動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12の働き
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