ストレスホルモン「コルチゾール」とは
心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
慢性ストレスで破壊される脳
私たちの心と体に塵のように積もっていくストレス……。
もしも、それを解消できないまま暮らし続けると、いったいどうなってしまうのか。
彼女は「慢性ストレス」について研究しています。
ネズミを特別な金網に閉じ込めるなどして、じわじわと長く与える種類のストレスは、「慢性ストレス」と呼ばれます。
「我慢するストレス」に該当するでしょう。
実験では、身動きがとりにくい特別な金網の中に、ネズミを長時間閉じ込めて、慢性ストレスを与え続けます。
すると、ネズミの脳のある部分に明らかな変化が現れます。
「海馬」と呼ばれる部分です。
海馬は大脳辺縁系の中に位置し、細長い形をしています。
脳の中で記憶を司り、感情にも関わる大切な場所です。
変化が起きていたのは、海馬を構成する神経細胞でした。
コンラッド氏は次のように解説します。
「脳はストレスホルモンを受容する最も大きな臓器です。特に海馬が影響を受けるのは、記憶や学習に関連するからだと考えられます。環境に適応するために、動物の海馬は柔軟性を備えています。それだけにストレスホルモンの影響を受けやすいのです。コルチゾールによる衝撃を受けて、神経細胞がダメージを受けるのです」
私たちはストレス状態が長期にわたると、落ち込んだり、不安を感じたりして、「なんかしんどいな」などという感想をもらすものです。
しかし、なぜしんどいのか、ストレスは具体的に体にどのような負担をかけているのか、これまで、その詳細は明らかにされてきませんでした。
この海馬の神経細胞の突起の減少によって、くっきりとした具体的なイメージの輪郭を与えられたのです。
複数のストレスが重なり、長く続いたとき、いったい体の中で何が起きるのか?
その答えは、
脳が物理的にむしばまれる――。
だったのです。
功刀氏に「海馬とうつ病との関連」について尋ねてみました。
ストレスによってむしばまれることが分かった海馬の神経細胞は、ストレスが長く続き、海馬の異常がさらに進むとどうなるのか。
その答えとして示してくれたうつ病患者(40代の働き盛りの男性)の脳画像には、黒い影が広がっていた。
海馬が萎縮して脳の中に隙間ができそれが虫食いのように見えているのです。
海馬は、脳の中でも記憶や感情に関わる重要な部分です。
そこが萎縮してしまうと、どのようなことが起こるのかを功刀氏はこう説明してくれました。
「健康な方でもストレスが積み重なって、それが長い時間持続すると、ストレスホルモンが海馬を傷害します。それが強くなってくると、うつ病のような症状が出てくる可能性があるのです」
「キラーストレス 心と体をどう守るか より」
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この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
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