「マインドフル」なライフスタイルを

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「マインドフル」なライフスタイルを
 
 マインドフルネスに興味を持ち、まずは挑戦してみようかなとお思いの方にも、いや、毎日時間を取るのはちょっと……とお思いの方にもぜひお勧めしたいことがあります。
生活の中に「マインドフル」な時間を、少しずつ作っていくことです。
 
たとえば入浴するとき、湯船につかりながらあれこれ考えごとをしていないでしょうか。
こういうときこそ、心にマインド・ワンダリングが忍び寄ってきます。
そこで、意識的に考え事をするのを止めてみるのです。
その代わりに、「今日のお湯は肌にしみるな」「冷えた体がだんだん奥までを温まってきた」などと、その瞬間の感覚に注意を向けるのです。
 
通勤・通学・散歩中にもできるだけ考え事をしない。
四季のうつろいが、風景や吸い込む空気の匂いにもたらす変化、踏みしめる足から伝わる感覚を感じる時間にする。
食事の際も、味や香り、食感に注意を向けながら、ゆっくりかんで味わう。
 
 それだけで、毎日少しずつ、生活の中にマインドフルな時間が増えていき、マインド・ワンダリングは確実に減ってきます。
すると、何だか気分が良い時間が徐々に増えてくるのです。
 
マインドフルネスで海馬が大きくなる!?
 
 マインドフルネスがストレスを減少させる効果を持つことは世界中で報告されていますが、最新の研究によって、マインドフルネスを継続して行う人たちの体の中で、ある変化が起きていることも分かってきました。
 
 アメリカ、ハーバード大学のサラ・ラザー准教授は、マインドフルネスと脳の関係についての研究で注目を集めています。
 
 ラザー氏はマインドフルネス・ストレス低減法を8週間行った16人の脳を調べるうちに、ある変化を発見しました。
その変化を示す脳の画像が「海馬」の画像でした。
 
 ストレスが積み重なって、ストレスホルモンのコルチゾールが脳にあふれたときに神経細胞をむしばまれてしまうのが、この海馬でした。
日本の国立精神神経医療研究センターで、功刀氏に見せてもらったうつ病患者の脳画像は、脳に広がった虫食いのような黒い影は、海馬が萎縮して脳につくられた隙間でした。
その海馬に変化が起きたというのです。
 
 ラザー氏は海馬の画像を指しながら淡々と説明します。
 
「これは海馬の灰白質です。5パーセント増加していました」
 
 ストレスにむしばまれて萎縮することで、うつ病につながる可能性が指摘されていた海馬を、回復できる可能性が見えてきたのです。
 
 変化はそれだけではありませんでした。
 
 マインドフルネスを行った人では、不安や恐怖に反応してストレスホルモンを分泌させるきっかけとなっていた「扁桃体」の一部が、5パーセント減少することが分かってきたのです。
子どもの頃に受けた強いストレスが大人になったときどう影響するかを調査した研究では、扁桃体が大きくなる傾向がありました。
その結果、ささいなストレスにも過敏に反応するようになり、ストレスに弱い大人になる可能性が指摘されていました。
 
 しかし、マインドフルを行うことで、その扁桃体の一部が減少するデータが示されたというのです。
それはストレスへの過敏な反応が抑えられることを意味します。
 
「マインドフルネスで、脳は本当に変わります。マインドフルネスにはとてもパワフルな効果があり、たくさんの人々のストレスを減らすことができるのです」
 
 ラザー氏はそう力強く語りました。
「キラーストレス 心と体をどう守るか より」
 
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新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
 
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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