毛細血管は年とともに減っていく…

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毛細血管は年とともに減っていく…
 
人の健康を左右する毛細血管ですが、残念ながら加齢とともに劣化します。
毛細血管を構成する内皮細胞同士の隙間が必要以上に開いたり、内皮細胞と周皮細胞との接着面に隙間ができたりすることにより、栄養素や水分、老廃物などが過度に漏れ出る箇所が出ます。
 
生活習慣病も毛細血管の劣化を加速させます。
高血圧や高血糖、脂質異常が続くと、血管の細胞が壊されたり毛細血管の内壁に汚れがたまったりすることで血管の弾力性が失われます。
症状が進むとさらに血管内が狭くなって血管が詰まり、管はあるのに血液が流れていないゴースト血管になります。
使われなくなった毛細血管はやがて脱落していきます。
 
健康な毛細血管の内皮細胞は1000日くらいで新しい細胞に入れ替わるのですが、40代くらいからは新陳代謝されることなく死んでいく細胞が徐々に増えていき、60代では毛細血管の数が4割も減るといわれています。
動脈や静脈は年を重ねても数は変われませんが、毛細血管は加齢とともに減ってしまうのです。
毛細血管の働きに大きな影響を与えている自律神経やホルモンの働きが乱れることも、毛細血管の老化に拍車をかけます。
 
毛細血管が劣化して数が減っていくと、太い血管の細胞にも酸素や栄養素が行き渡らず、不要な老廃物や水分が排泄されず体内にたまっていきます。
その結果、動脈硬化も進み、重要臓器の新陳代謝が滞り、さまざまな不調や病気を招くことになります。
 
毛細血管のスバラシイ5つの働き
 
1 酸素を届け、二酸化炭素を回収
 呼吸によって吸い込まれた空気は肺に送られ、肺の毛細血管で酸素と二酸化炭素のガス交換が行われ、血液中に酸素が取り込まれます。
酸素を乗せて運ぶのは赤血球に含まれるヘモグロビンです。
血液の赤色はヘモグロビンの色で、心臓から全身に向かう動脈の血液は酸素を多く含むので赤色です。
 
 一方、全身の細胞内ではミトコンドリアがエネルギーを生み出すときに呼吸するため、二酸化炭素が出ます。
そこで、細胞と血液との間でもガス交換が行われますが、まさにその現場こそが全身に張りめぐらされた毛細血管です。
全身の毛細血管では、血液中の酸素と、細胞の二酸化炭素の交換が行われます。
心臓に戻っていく静脈の血液は二酸化炭素が多くなり、赤黒くなります。
 
2 栄養を届け、老廃物を回収
 私たちが食べたものはそのまま吸収されないため、消化管で細かい栄養素に分解されます。
その栄養素は胃腸の粘膜のひだに存在する毛細血管で血液中に取り込まれ、全身に運ばれていきます。
そして、全身の細胞の周囲にめくらされた毛細血管を介して、栄養素が細胞へと届けられます。
 
 一方、エネルギーをつくる過程で出てきた老廃物は、毛細血管を介して血液中に回収され、肝臓や腎臓の毛細血管へ運ばれます。
そこで、ろ過された老廃物が尿や便になって排出されます。
 
3 免疫物質を派遣し、自ら援護
血液は病原菌など外敵の侵入を防ぐ白血球(リンパ球)などの免疫細胞も運んでいます。
毛細血管はこれらの免疫細胞を、感染した部位など必要な場所に派遣し、ウィルスや細菌と闘わせる役目があります。
 
このとき、その戦場付近の毛細血管の内皮細胞からも外敵に対抗するための成分が分泌され、バトルに加勢し、体を感染や病気から守るために働きます。
 
4 ホルモンを運び情報伝達
ホルモンは血液に乗って、目的の場所に届けられ、体に必要な情報を伝達しています。
たとえば、「もうすぐ生理が来ますよ」という情報は、血液に乗せて届けられた女性ホルモンを介して伝わります。
その運搬役の主力を担っているのが毛細血管です。
毛細血管は全身に網の目のように張りめぐらされているため、ホルモンをしかるべき受け取り場所にきちんと送り届けることができる、まさに体の通信網なのです。
 
5 体温調節
体温が一定に保たれているのも、毛細血管のおかげです。
暑かったり、運動をしたりして体温が上がると、熱を外に出す必要があります。
このとき、皮膚に近いところの毛細血管が拡張し、血流を多くすることによって皮膚の表明温度を上げます。
すると毛穴や汗腺が開いて汗をかき、皮膚から熱が放出され、体内に熱がこもりません。
 
寒くて体が冷えたときは、皮膚に近いところの毛細血管が締まることで皮膚表面血液の流れを少なくし、皮膚表面の温度を低くして、体内の熱が放出しにくくなるようにします。
 
血管の拡張・収縮をコントロールしているのは自律神経です。
「「毛細血管」は増やすが勝ち! より」
 
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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?
顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。
それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
 
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
健康寿命を延ばせるかどうかは、老化と上手くつき合っていけるかにかかっているのではないでしょうか。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
ビタミンB12は水溶性と脂溶性という特徴を併せ持つため体の隅々にまでいきわたりさまざまな働きをします。
細胞の生成にとって重要な核酸(DNA)・たんぱく質の合成や末梢神経(手足)、 中枢神経(頭)、認知機能に関わりがあるため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
細胞が入れ替わることにより若さにもつながると考えられます。
 
ビタミンB12について?
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