太ると「脂肪」はワルくなる
脂肪細胞が大きくなって数も増えると、その“働き”も変わってきます。
脂肪細胞は、ほかの免疫細胞などと「脂肪組織」というチームを組んで、いろいろな働きをしているのです。
◎エネルギーが必要になったときに脂肪を分解して全身に供給する
◎内臓を正しい位置に保つ
◎“断熱材”となって体温を保つ
◎“クッション”となって外からの衝撃を和らげる
こうした役割は以前からわかっていましたが、さらに最近わかってきたのが、いろいろな物質(メディエーター)を分泌して、体に「さまざまな指令」を出しているということ。
脂肪は、かなり活発に全身の臓器に働きかけているのです。
そして、より分泌活動がさかんなのが、「内臓脂肪」なのです。
■炎症を抑える注目の物質「アディポネクチン」
脂肪細胞から分泌される物質を総称して、「アディポサイトカイン」といいます。
その数は、すでにわかっているものだけでも50種類以上にも。
いろいろな働きをするものがあり、やせているときと、太っているときで、「どんな種類のアディポサイトカインが多く分泌されるか」が変わります。
おおまかに説明をすると、
◎肥満の人の脂肪組織で歯「炎症を引き起こす」アディポサイトカインが増える
◎通常の脂肪組織では「炎症を抑える」アディポサイトカインが増える
これらの分泌は太るほど増えます。
「白色脂肪細胞」は全身にあります。
全身に300億個もある脂肪細胞が、太ると、くすぶりのもとをつくって全身に「もっとくすぶれー!」とメッセージを送ってしまうわけですから、「肥満がくすぶらせるもっとも大きな要因」といわれるのもうなずけます。
■「ぎゅうぎゅう詰めの脂肪組織」のなかで起こっていること
また、肥満の人の脂肪組織では、低酸素状態になっていることもわかってきています。
一つひとつの脂肪細胞が大きくなってぎゅうぎゅうになっている脂肪組織では、血流が減少して局所的に酸素が少なくなるのです。
その結果、「酸化ストレス」を増やし、炎症を起こします。
たとえるならば、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車で、酸素が薄くなって、乗客たちがちょっとイライラしているようなものでしょうか。
それが全身の脂肪組織で起こっていることを想像したら、「燃えない体(脂肪をたくさん蓄えている体)ほど、じつは燃えている(慢性炎症が起こっている)」という怖さが伝わってくるのではないでしょうか。
「体内の「炎症」を抑えると、病気にならない! より」
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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経(手・足)の不調はもちろん、中枢神経(脳・脊髄)の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
ビタミンB12について?
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