冷たい水が、温かい肌を作る
冷たい水が、温かい肌を作る
●血流上昇の秘密は「冷やした後」にある
「肌を温めたほうが“ホルモンタンク”を浪費しないというなら、お風呂にじっくりつかって身体を温めればいいのでは?」
そう思う人もいるでしょう。
しかし、実は全く反対。
まず、冷たい水を肌に浴びせたほうが、肌の血流を高める効果が大きいのです。
ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学のエアランゲン=ニュルンベルクが19名を対象に行った研究では、60秒間顔に冷たい水を当てるだけで、脳(中大脳動脈)血流が上がったといいます。
そして、アメリカで手軽な健康法として近年、「コールド・シャワー」という、冷たい水をシャワーに取り入れる方法が注目されています。
これは、なにも夏場のプールのような、冷たい水だけを浴びるものではありません。
冷たい水を浴びたあとで、温かいお湯で体を温めるのです。
水のシャワーを10~20秒浴びたあと、温度を上げて、普通のお湯を浴びる。
あるいはお風呂に入ったときに冷たい水をかけ、そのあと温かい湯船に入ってもいいでしょう。
なぜ、冷たい水と温かいお湯を交互に浴びるのか。
冷たい水を浴びると、毛細血管はキュッと締まります。
そのあとで温かいお湯をかけると、血管はパッと開きます。
この意図的に起こす急な変化が、血液中の老廃物を押し流すわけです。
よく血圧を測るときに、腕のところをギューッと締め付けます。
その後、巻いたベルトをはずすと血液がサーッと流れます。
このとき、血管からも血管拡張作用のある一酸化窒素(NO)が出されて、血流が増すのです。
2014年には、中国の瀋陽軍区総医院が、肌に冷たい刺激を与えることで一酸化窒素が増えたという研究を発表しています。
こうしたことから、同じことを「冷たい水→温かいお湯」を肌に当てることは有効といえます。
●10秒試してもらいたい「顔だけコールド・シャワー」
しかし、正直にいえば、こうした冷たい水を使うコールド・シャワーは身体的にも精神的にもつらいものがあります。
気持ちよく実践できないことがストレスになり、“ホルモンタンク”を消費するのは、疲労をいたずらに増やすだけです。
そこで、提案したいのが「顔だけを冷たい水にさらす」というもの。
さすがに全身の効果は得られないものの、それでも一部分に擬似コールド・シャワーをすることで、血流を高めることが期待できます。
たとえば、洗面器に水を張って、そこに顔を10秒ほどつけるだけでもいいでしょう。
あるいは、お風呂やシャワーで、頭だけに水をかけるだけでも十分です。
慣れてきたら、顔に限らず、ふくらはぎや腕などにかけてみましょう。
ただし、コールド・シャワー全般で気をつけていただきたいのは、高齢の人。
動脈硬化などが起こっていると、血管を広げたり締めたりする反応が遅れてしまうことがあります。
すると心臓が負担に耐えきれず、心筋梗塞などを引き起こしてしまう可能性も生じます。
顔や手足など、身体の一部だけなら問題ないですが、もし全身にコールド・シャワーをする場合は、その点を注意してください。
※抗ストレスホルモン(コルチゾール)は、「副腎」という器官から血管を通し、体中に運ばれていきます。
抗ストレスホルモンの貯蔵場所、ここでは“ホルモンタンク“と呼んでいる場所も、その副腎を指しています。
「最高の疲労回復法 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
したがっていっしょにとるのが効果的です。
ビタミンB12について?
※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!