食べること自体にある脳活性化
食べること自体にある脳活性化
食事は食べること自体にも、脳活性がこもっています。
食欲もなく、食べることが苦痛になれば、脳活性はなくなり、認知症予防の可能性の高いビタミンやミネラルの摂取も大減少します。
食事は豊富な栄養素を取り込みながら、味を楽しみ、食卓の会話を楽しみ、脳を活性化する大事業なのです。
あれもこれも食べるから、特別食にならない。
食事の支度をする。
この一事だけでも、新しい記憶や古い記憶が入り交じり、記憶力の海馬は大きく刺激されます。
食事に際して、まずは味をチェックしましょう。
「おいしい」「まずい」も脳への刺激です。
おまけに、その料理についての思い出が浮かんでくれば、記憶の海馬もより刺激されて、記憶低下の予防効果がさらに増大します。
食事は偉大です。
付き添いに食べさせてもらう食事でも、しっかり噛み味わいながら食べれば、脳内の感覚野の三割が活性化するといいます。
自分の手を使って食べれば、脳の活性化はさらに増加して、運動野の七割も元気になるのです。
ここまでくれば、今晩の献立も変わるはずです。
あれもあり、これもありの、副食たくさんの山海の珍味。
そして楽しい食卓の会話もはずみます。
一人ではなく複数で食べる大切さ
「楽しい食卓の会話」にも、大いなる予防効果があります。
九州大学二宮利治教授に寄れば
「一人ではなく、複数人と食事をすると、人との関わりがある生活が生まれてくる。また食事の内容に加えて、その調理の過程や食事をする環境なども、認知機能の低下を防ぐのに影響している」とのお話です。
こうして豊富な栄養と、楽しい会話が揃えば、食事も妙薬に変身します。
名前忘れが多発するならば、食事チェックも一案です。
「人の名前が出てこなくなったときに読む本 より」
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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
ビタミンB12について?
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