★ 若年認知症はまじめな人のほうがなりやすい? ★【働き盛りを襲う若年認知症】③

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【働き盛りを襲う若年認知症】 
            (お話 宮永和夫 栄養と料理より)

認知症は高齢者だけの病気だと思われがちですが、65歳未満の若年者にも発症することがあります。
40歳代、50歳代という働き盛りで認知症になると、仕事を失うことになったり、
若年者向けの福祉サービスが少ないことなどから、本人はもちろん家族も大変な困難に直面することになります。

★ 若年認知症はまじめな人のほうがなりやすい? ★

<若年認知症になりやすい人、なりやすい性格・・・>
20年以上前の調査ですが、「内向的で人づき合いのない人は認知症になりやすく、社交的な人はなりにくい」という報告がありました。
しかし、患者さんを診察していて感じるのですが、たとえ社交的であってもきちょうめんでまじめな人は認知症になりやすいようなのです。
反対に、ずぼらでのんきな性格の若年認知症患者というのはあまりいません。

たとえば、職場では同僚や部下に好かれ、バリバリと働いていた人が突然、認知症になるというケースは多いのです。
まじめゆえに、仕事や人間関係のストレスをひとりでかかえ込んでしまうからかもしれません。

認知症の発症に男女差は?>
若年認知症は、女性よりも男性に多く見られます。
先にも述べましたが、ピック病は男性に多い病気ですし、脳血管性の認知症も男性のほうが多くなります。

一般的に認知症は80歳までは女性より男性のほうが多く、80歳以上になると逆転して男性より女性のほうが多くなります。
これは、80歳以降の認知症の大部分はアルツハイマー病であることと、アルツハイマー病は女性に多いためです。
女性は、女性ホルモンの作用によって、かなり高齢になるまでアルツハイマー病を発症しにくいのですが、80歳を超えると急に発症者数が多くなります。

若年認知症は男性のほうが多いという事実は、介護のうえでも重要なポイントになります。
たとえば、ピック病の患者はときに暴れたりすることがありますが、65歳未満の男性は力が強いので、世話をする人はとてもたいへんになるからです。

★ 少しでも進行を食い止めるためには早期治療が肝要! ★

<若年認知症の治療は?>
薬での治療になります。
ただし、認知症の治療は病気を改善するというよりも、進行をできるだけおさえるのが目的です。
現在のところ、認知症になってしまったら、元のように治すことは不可能です。

<治療をしなくても変わらない?>
そんなことはありません。
認知症をほうっておけば、脳の神経細胞はどんどん死滅してしまい、状態は悪くなる一方です。
早期のうちに薬で治療して神経細胞の死滅を少しずつでも抑制すれば、元気に日常生活を送れる状態を長く維持できる可能性があります。
若年認知症は高齢者の認知症と違い、発症後の人生がまだ何十年と長く残されているのです。
患者さん本人にとっても、まわりの家族にとっても、できるだけ進行を遅らせることが重要な課題になります。

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