40代から始まる「感情の老化」
人の知力や体力は高齢になってもそれほど衰えず、歩行脳力などもかなりの年齢まで維持されることは先にも述べました。
が、そこで問題なのが、意外に早い時期から始まる「感情の老化」です。
感情の老化という言葉から、「喜怒哀楽がなくなり、静かな性格になる」「泣いたり怒ったりすることがなくなり、無感情になる」といったイメージを持つかもしれませんが、それは違います。
では、感情の老化とはいったいどんなことなのでしょう。
じつは、脳の一部である前頭葉の萎縮と密接な関係があります。
私たちの脳は、部位によって役割が異なりますが、前頭葉では、自発性、意欲、切り替え、創造性、感情のコントロールなどをつかさどっています。
そのため、加齢によって前頭葉が萎縮すると、「意欲がなくなる」「感情がコントロールできなくなる」「こまやかな気持ち、感情の機微がなくなる」「感動しにくくなる」「創造力がなくなる」などの症状が出てくるのです。
前頭葉が萎縮しても、腹が立てば怒りますし、哀しければ泣きます。
なぜなら、そうした原始的な感情は脳の「辺縁系」という部分が受け持っているからなのです。
そして、困ったことに、前頭葉の萎縮は早い人で40代から始まります。
今時の40代といえば、「老化」とは程遠い印象がありますね。
そのため、ピンとこない人のほうが多いでしょう。
しかし、前頭葉の老化は、脳のほかの部分より早く始まるのです。
前頭葉が萎縮すると、意欲がなくなるので、何かにつけて「面倒くさい」「別にやらなくてもいい」「どうでもいいじゃない」といった、「やる気のない」言葉が増えてきます。
さらに、感情のコントロールがしにくくなるため、自分の考えに固執したり、怒りっぽくなったり、いつまでも涙がとまらなくなったり、柔軟性がなくなったり、といったことが起きます。
やる気がなくて、融通がきかなくて、感情のコントロールができない人。
想像しただけで、「そういう人とは付き合いたくない」と思いませんか。
そして、そんな状態になったら人生が楽しいはずがありません。
しかし、感情の老化は放置しておけば、坂道を転がるように加速していくのです。
「最近、やる気が出ないな」「怒りっぽくなったな」「気持ちがうまく切り替えられない」「若いころと違ってアイデアが浮かばない」そんなことを感じたら、感情の老化のサイン。早めに手を打つ必要があるのです。
「感情の老化を防ぐ本 より」
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
また、老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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